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ふたつの時間。5
2014年08月13日(水) 23時30分00秒
テーマ:大まお空想小説



隣同士、無言で打ち続ける僕達。


僕は父さんの背中を見つめながら、彼の事を

思い出す。










「俺の事、受け入れて貰えたのかな・・・」、

酔っぱらった彼は、僕のベッドにゆっくりと

腰を下ろして、そっと僕の腰を抱き寄せた。



「今頃、震えがきた・・・」、

ぎゅっと、僕を抱き締めてちょうどおへその

あたりにその顔を埋めて、涙が僕のシャツを

濡らしていた。



僕は言葉も無く、その柔らかな髪を撫でて、

その涙が止まるまで彼の頭を抱きしめていた。




そのまま、静かに寝息を立てた彼を抱きしめて

僕は自分のベッドに横になり、そのまま彼を

そっと裸にした。



何かをしたかったわけじゃなくて、ただ、

ここで、僕の部屋で抱き合いたかった。




彼の温もりを確かめたくて・・・。





その腕の中に潜り込み、ふわりと毛布を

かけて、ゆっくりと甘い夢の中に落ちた。









身体が熱くて目が覚めた時、僕はビクびくと

身体を痙攣させた。



「や・・」、思わず漏れた声に、そっと唇が

重なる。


音を立てずに深くなるその重なりは、ゆっくり

優しく僕を煽る。



そして僕をとろけさせていたその指が離れると、


「ごめん・・我慢できなかった・・」、

彼が、ゆっくりと僕の中に入って来た。



「僕も・・、欲しかった・・ん・・」、

声を我慢してその肩に噛みつくと


「もっと、噛んで・・、消えない位に、、もっと

跡を残していいから・・」、

なんども呟き、激しく僕を揺らした。







そのまま意識が無くなるまで僕を揺らして

そのままいなくなった彼。





父さんは、どんな思いで、彼を僕の部屋に

泊めたのだろう。









父さんの背中は、何も語らず、でも優しく

僕の前にある。




応援してくれるよね・・

僕のこと、そして、僕達の事・・・。








じっとその背中を見つめていると、




「余計な事を考えずに、今を進めばいい・・」


振返らずに父さんはそう言った。












更新日:2014-08-16 21:51:44

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