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二人は出会う

 それはあたしにとっては人生でもう最初で災悪のファースとキスだわ! よりにもよってこんな悪魔のような男が意志関係なく強引に唇を奪ってくるなんて!

 ダアア……と擬音のような感覚で唇を強引に離してやったわ--危うく舌まで触られる所だったんだから!

「フ」危なかった--こいつの利き手は真っ直ぐあたしの胸を襲いに来てた!

「どこまで脇が固い? 君はそうまでして純潔でありたいか?」

「自己紹介してなかったわね……ラスター王子に良く似た人!」

「アア、私はセティスジュ帝国の皇帝フィフティビサラ・バレラー・セティスジュの正式七男であるバラック・バレラー・セティスジュと……」「あたしが先なのよ! どこまで失礼なのよ!」と一本背負いして……自ら投げられる事で脱出してる--思わずうっとりするような着地して!

「流れは大体掴んだ。では自己紹介したまえ」

「偉そうな男ね、あなた」と言った後、咳払いしたあたしは……「風紀委員長の赤羽涼香よ! 風紀委員長が貞操を守らなくてどうするのよ!」と二言吐いてやったわ!

「面白い。益々気に入った……」もうあたしの胸元まで--何時動き出したか読めない!

「読めないなら投げて……」「流れは大体掴んだと言ったろう」逆に投げ倒された! それもあたしが下であいつが上に乗っかるように……「さあ続きだ。このまま私の物に成れ、涼香!」

「何勝手にあたしを女にする事前提な言い方してんのよ!」でも両手を極められ、更に足が固定されてる! 肝心の腰はあいつが押さえて脱出が……「女性はこうゆうのを嫌う。何故か?」

「あたしが言うわ! 男に言いようにされて歯がゆいのよ!」全然隙が出来ない--このまま為すがままに成るの?

「正解。だが、私を初めとしてこうゆう事をする男は逆に好む。特に支配出来ない女を力尽くで支配する……心は抵抗出来ようが、生態まではどうにも成らない!」何故笑顔に成らない--この男はひょっとしたら警戒心が強すぎて安心しきってないんだわ!

「さあ、二度目の口づけ」固定されててあいつの唇が徐々に近付く……緩んだ? ってあいつが消え……剣が飛んで来た!

「間に合った」オオ、ラスター王子が格好良くレイプを阻止した!

「やあ、ようやく再会したな」一方のレイプ魔は何故か……「貴様!」剣を返したわ--ラスター王子に。

「あの続きといこうか、ラスター?」

「母上やメディーのみならず今度は涼香殿を……」「ストオオオップ!」王子様を庇うようにあたしは前に……

「あの……いや、それでいいか」どうやらあたしが前に出たお陰で落ち着いたみたい。

「何故君が出る? これは私とラスターの……」「そうは行かないわ、レイプ魔!」と挑発してみるあたし。

「言っておくがまだやって……」「やろうとしてたんでしょ、この可愛い可愛いあたしの身体に汚点を残そうとしてえ!」全然挑発に乗らない--この男も冷静組の一人だったなんて!

「しかし面白い。自分で可愛いと言ってのけるとは……全然可愛さの欠片もないのに」

「そっちを突っ込む訳? 傷付くわ」

「涼香殿……時間をかけないでくれ! 余が余でなくなってしまう。その前に!」そう言えばトラウマを抱えてるんだったわ--でもどうやってこんな化物を攻略するかな?

「二人掛かりでも可能性が薄いと感じてるか?」

「舐めないで」最初からポニーテールで行くわよ……「このドレスじゃなかったら締め付ける事出来るのに!」それでも本気のあたしだわ!

「気は圧縮したか……だが、君の相手は私じゃなかったね」

「目を瞑るな、このレイ……」「殿下に触れた女は死あるのみ!」声が--気配を感じ取れなかった!

「真槍白刃取り……」「出来ると思うな!」すり抜けて真っ直ぐあたしに!

更新日:2014-10-27 06:52:04

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二つを彷徨う魂 巻の三 逸した二人は出会う