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最高機密タコ焼き

今日は村の秋祭りだ

土曜の夜だから テキ屋の夜店が立ち並ぶ

わた菓子やチョコバナナの誘惑に耐えつつ

俺の最重要目標

タコ焼き の店にたどり着く

ガラが悪そうだけど人当たりが良い おっさんに

「タコ焼きみっつ」 と宣言する 

「あいよ!」 注文は確定した

俺の女房と 存在しない子供のために3個必要なのだ

「お客さん、ここだけの話・・・」

何とこの夜店のオヤジが作る タコ焼きは

幻の伝説の軍事最高機密 Aランクに位置する

トリプルA(AAA)スーパーエキゾチック・タコ焼き

バケーション風味・なのだそうだ。

公安の目を盗んで発売している 発禁タコ焼きなのだと言う

俺は 人目が気になりだした 

誰もカレも公安の犬に見えてくる・・・

すぐにブツを受け取り 代価を支払い

最愛の妻が待っている バラック小屋に帰る

「あなたお帰りなさい」「タコ焼きは買えましたか?」

妻に事情をすべて説明した 妻はただ黙って

タコ焼きを食べながら俺の話を聞き続けた

「まあ、そんなに価値のあるタコ焼きでしたの」妻は

途中で食べるのをやめて 神棚にお供えをしだした

パンパンッ

「私の旦那様が定職につけますように・・・」

俺は涙の秒読みが開始されたみたいなので表に飛び出して

夜空を見上げながら 

「天の川銀河・見ていてくれよ!」」

とつぶやきながら 涙を人知れず流した・・・

「あ、流れ星だ!」



更新日:2014-08-03 03:16:40

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