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 「お楽しみの処申し訳ないんですけど・・」、流暢な日本語で

カレンは書類を見せて来た。

 「ギイが来るなら丁度いい、説明したいんでしょタクミ?」、

そう言って笑う。

 「うん、お願いしてみようと思うんだ。」、僕が頷くと

 「大丈夫、きっとうまくいくよ。」、カレンは僕の肩をポンと叩いた。

 「今日は、社長と一緒じゃないの?」、そう言えば、突然帰って来た

カレンを不思議に思い、そんな言葉が出た。


 「社長?、ああ、あの女ったらしの事ね。さあ?知らないね。」、カレンは

急に背を向けてキッチンに向かった。

 「カレン?」、僕が心配して追いかけると

 「今頃、綺麗な女性とお見合い中ね。いいから、そんなのホットク。」、

カレンはコーヒーをセットし始めた。

 「お茶位は、一緒にいいでしょ?タクミ。直ぐに、二人にしてあげるから。」

ウインクをして、カレンはニッコリと笑った。



 僕とカレンが、コーヒーを飲んでいると、急に外が騒がしくなった。

 「きたね・・」、呟くカレン。


 ヘリコプターが僕達のマンションの周りを数回飛行していなくなると、今度は

モニターが点いた。


 「タクミ様、社長が区内に入りましたので、全館警備体制Aに切り替わります。

御用の場合は、むやみに外に出られませんようお願いいたします。」、っと

守衛室から連絡が入る。

 もちろん、隣の、三洲君の部屋にもこれから同じ連絡が行き、彼らの場合は

もう少し細かな指示が出るのだった。

 もちろん、カレンにも同じように。

 「カレン様。何度も申し訳ございませんが、お部屋を出られましたら、外の

女性SPにチェックを受けて下さい。 再度タクミ様にお会いになる場合も同様に

お願いいたします。」、申し訳なさそうにそう告げて来た。


 「はい。は~い。」、カレンはモニターに向かって舌を出す。

 「こら、カレン駄目だよ・・」、僕が小さく怒ると、

 「タクミ様、もう慣れました。」、モニターから小さな笑い声がした。



 ギイと僕を取り巻くすべてが、まるで家族の様な、そんな関係が少しづつだけど

生まれてきていた。


 「にしても、カレン・・・。政木さんの、さっきの・・」、そこまで言うと

 「さあて、やっぱりギイが来る前に、退散するよ、タクミ!」、カレンはお道化た笑い

を残して僕の部屋を出て行った。


 「ギイ、何か知ってるのかな・・」、僕は、カレンの寂しそうな笑いが気になっていた。





更新日:2014-06-29 21:06:11

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