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三洲君の部屋から戻ると、部屋のモニターが自動で付いた。


 「タクミ!、もうすぐ着くからな!」、車内電話のギイは眉間に

しわを寄せて、すでに沸騰している。


 「はあ~い。気を付けてきてね・・」、僕がモニターに近寄りカメラに

向かってキスをすると、とたんに目じりが垂れて、頬が緩む。


 くすくすと、小さく笑い声がするのはきっと運転手兼SPのハイド君

だね。


 「ハイド君は、今日はどうするの?」、ギイを通り越して質問すると

 「おい、タクミ!、俺と話をしてるんだろ?」っと、ギイが拗ねる。

 「でも、お姉さんも忙しそうだから、一人ぼっちになるかもしれない

んだよ・・」、そう、僕が言うと


 「ノン。心配いらないよ、僕、ガールフレンド沢山いるね~」、っと、

明るい声が聞こえた。


 「おい、ハイド、お前俺のSPだろ!!」、ギイが怒ると、

 「ノン、僕、今日の夜は、お休みもらってる!!」、負けないハイド君。

 「はあ~?、俺は聞いてないぞ!!」、またギイが反論。

 「じゃあ、ギイのそば、離れないね、ずっと横にいるね。タクミいいか?」

今度は僕に聞いて来た。


 「ええ?・・、僕は、ギイと二人っきりがいい・・」、小さく答えると

 「た~く~み~・・」、画面の中のギイはとろける笑顔になっていた。

 「OK,OK,!!」、ハイド君も、喜んでいる。

 「大丈夫ね、他のスタッフみんないるね。」、ご機嫌なハイド君がギイに

そう言うと、

 「お前は、何様なんだよ・・・・」、ギイが唸った。

 「ギイ・・・、あんまりハイド君虐めると、カレンに叱られるよ。」、僕が小さく

言うと、

 「誰が、怒るって?」、玄関からカレンの声が響いた。

 「ヤバい、カレンだ~!!」、ギイとハイド君の声が聞こえた瞬間、画面も

切れた。



 「まったく・・・」、腕組みしているカレンは、怒っているけど、嬉しそうだ。

 家族は全くいないと言っていたカレンだけど、ギイのSPにハイド君を見つけた

その時、見たことの無い号泣をして、抱きつき、二人は何度も頬にキスをした。

 それを見ていた政木さんが気を失いかけるほど、二人はラブラブで、僕も

ギイも、どうしてよいかわからなかったけど、すぐに、弟なんだと説明をしてくれて

政木さんはあっさりと立ち直った。

 でも、ハイド君にストーカーと言われ、また地面にめり込むほど落ち込んでいた。




更新日:2014-06-28 21:55:17

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