• 10 / 65 ページ

10




  「見るか?、あいつの部屋の中の様子・・・」、そう言ってモニターの画面を切り

替えた。

 ゆっくりと衛星写真が鮮明になる。

 ギイの会社の衛星からそのポイント目がけてズームが始まり、たぶん先生の

家だと思われるマンションが中心に映る。

 それを見ながら、僕の腰は揺れ始める。 必死にギイを求める僕をギイは、

嬉しそうに見つめながら、そして更に、その画面は拡大を続ける。

 ゆっくりと一つの部屋に焦点が合い、映像の角度が切り替わった。

 何か特殊な機械がその部屋を透視するかのごとく透かしていく。

 すると、壁一面に僕が張り付けられた部屋がひろがった。

 僕の演奏する姿。 僕の授業風景、そして仲間との笑顔。 そして、

僕の全裸の写真が大きく広がっていた。

 僕は、目を開けてはいなかった。 たぶん、眠っている。その場所は

あの、レッスンルームだった。


 「この写真の意味は、分かるか?タクミ?・・」、ギイが僕のそばに

ゆっくりと近づく。

 「しらない・・、僕・・僕は、何もしてないよ、ぎい・・」、ビクビクと揺れる

身体を片手で抱きしめている僕の、その手をゆっくりと解くギイは、胸の

ほくろにキスをした。

 「このほくろ、あの写真にも、あるよな・・」、そう言ってそのほくろを噛んだ。

 「ああ・・っ」、痛みが快感になるほど僕の身体は熱くて、

 「ここのほくろも、ほら、見えてる・・」、そう言って腿のほくろにも噛り付いた。

 「っつうう・・」、仰け反る僕を、押さえつけて

 「本物だよな、この写真・・」、ギイは悲しそうに笑った。

 「僕・・しらない・・、ぼく・・」、フルフルと首を振り続ける僕にギイは顔を

近づけた。

 「昨日だ。この写真がここに張られたのは、昨日。」、そのままギイは

僕の胸をつい~っと舐め上げた。


 「ンンン・・」、麻痺していく意識の中で、僕は必死に昨日の事を思い出す。

 レッスンに行く前に先生に呼ばれて、講師室によって資料を貰った。そして

そこで、SPと一緒にお茶を頂いた。

 ギイに、他人と二人っきりになる事を避けるように言われていたから、それは

キチンと守っていた。 お茶も、SPが確認して先に飲んでいる。

 他に・・・。必死に思い出そうとする僕を、ギイの舌が攻めまくる。

 「ぎ・っぎい・・、僕、あめ・・・のど、あ・め・・たべ・・た・・」、やっと言葉がでた。

 ギイは僕を見つめる。




 その先を言えと、そう目が言っていた。




更新日:2014-07-04 23:04:54

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook