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久しぶりのふたりきり 4

久しぶりの、ふたりきり・・・4。
2014年05月17日(土) 22時00分00秒
テーマ:BL小説






「この時間は、混んでるんだな・・」、そう言って僕を

そっと、電車内の混雑から守ってくれる。



「ありがとう・・」、そっと、カバンに捕まると


「はやく、部屋に行きたいな・・」、柔らかく優しく笑った。





僕は、両親の離婚で、今は母と二人マンションに暮らしてる。


父からもぎ取った、母の唯一の財産。




でも、その母は朝から晩まで働いてるから、その家には

ほとんどいない。



僕の処に帰るより、仕事先の社長さんの家に泊まる毎日。




だから、僕は、独りで生活しているようなもなんだ。






掃除も洗濯も嫌いじゃない。


小さい頃から自分でなんでも出来るように母に厳しく教えられた

から・・・。



ただ、料理だけが苦手で、そのうち食べることも苦手になった。


だから、小食で・・好き嫌いも激しくて、太る事も出来ない。









そんな僕が、夜中にコンビニで、オニギリ一個を買っていた時、

「同じ、学校だよな?・・」、って、声をかけられた。


今まで、店員さんの顔なんて見たこと無かった僕は、ゆっくりと

顔をあげた。



「俺、1組なんだ。」、ニッコリ笑ったその人が、彼だった。







無言で、固まる僕に、


「俺、今日からここでバイトなんだ。よろしくな!」、って、

優しく僕の頭を撫でた。

更新日:2014-09-19 15:37:17

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