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久しぶりのふたりきり 8

久しぶりの、ふたりきり・・・8。
2014年05月18日(日) 00時00分00秒
テーマ:BL小説






べったりと、そして甘い夜を過ごそうと・・・・。


そう思った、春休み、




彼は1年生ながら、登録選手になり、そのまま春の遠征に

連れて行かれてしまった。






やっと遠征から戻ったと、思ったら・・・


今度は僕の母が、社長と喧嘩して、家に帰ってくるようになった。








僕達は、終業式以来・・・、手も繋ぐこともなく・・


2年生に進級していた。














彼の近くには、いつも沢山の仲間が集まる。

それは、1年の頃から変わらない。


改めて、その中の一人が、僕と同じ瞳で、彼を見つめている事に

気が付いたのは、始業式のことだった。



久しぶりに会えたその嬉しさから、思わずその背中にこの手を

伸ばした玄関で、僕の手を払いのけるように、彼の背中にじゃれ

飛びついたのは、ユウダイ君だった。




1年の頃から、その綺麗な顔立ちは有名で、彼と二人並んで歩く

姿は、男でも見惚れるほどで・・。





だから、僕に気が付かづに、ユウダイ君と教室に向かう彼に

おはようをいう事すらできず、僕はそこに氷ついてしまった。



そんな僕の背中をそっと、叩いてくれたのは、テニス部の

モトヒロ先輩で、


「元気ないぞ!・・」、って、ぼくの頭を、くしゃくしゃっと

撫で、そのまま引っ張られる様に、歩き出していた。






元気のない僕に、先輩が


「次の試合、俺と組まないか?」、ニッコリと聞いた。


「え?・・僕でいいんですか?・・」、嬉しくて見上げた僕に


「君が良いんだよ・・」、先輩は、優しく笑った。







そんなやり取りを、階段の上で、従妹のマサヒロ兄が聞いていた。






更新日:2014-09-19 15:43:05

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