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「なんだ、ピンピンしてるじゃないか」
「あ、婆ちゃん」
「心配で飛んで来たのにさ」
櫂の婆ちゃんが腰に手を当てて溜息をついている。櫂と櫂のお父さんまでいた。
「すみません、俺がお呼びしたんです。あなたの部屋のドアが最初開かなくて心配になって」
秋山さんが申し訳なさそうにそう言った。
そうだったのか。
「いえ、お願いしたの俺なんで・・すいません。婆ちゃんも、おじさんもご迷惑かけてすいません」
「で?なんで戻ってこれたの?行ったんだろ?あの世へ」
「ええ?一度死んだみてえに言うなよ」
「ハハッここにいるってことは鳥居のおかげで帰って来れたのかい?」
「いや・・どっちかって言うと秋山さんのおかげっす」
そう言って秋山さんをチラッと見ると照れ臭そうに下を向いた。
夜中の0時、詳しく聞かせろと言う婆ちゃんのために二階の自室に上がってもらい、秋山さんが仕入れた情報と俺の無謀なチャレンジの話を聞かせた。
「馬鹿だね、あんたは!父ちゃんのお守りが必ずしもあんたに効くとは限らないんだよ?!」
「そうなの?」
「父ちゃんも霊感は強かったけど、ご先祖の力も強かったからそうゆうお遊びも出来たんだよ。けどあんたは違うんだ」
「なにそれ?初耳なんだけど?ご先祖って父ちゃんも俺も一緒じゃねぇの?!」
まさか父ちゃんの子じゃねえとかか?!それの方がぶったまげるわ!
「馬鹿なこと言ってんじゃないよ。同じに決まってるだろうよ」
良かった・・。とりあえず一安心だ。
「じゃあどう違うの?」
「さあね」
「はあ?」
「あたしにもはっきりしたことはわからないよ。けどあんたにはご先祖が見えないんだ」
「ええ?」
どういうことだ・・?
「不思議なんだけどね、誰にだっているはずのご先祖様がいないことになってるんだよ」
「え?それは何か意図的なものなんですか?」
「良い読みしてるね、あんた」
秋山さんが興味津々だ。
実はこの手の話が好きなんだな、この人。まぁ面倒くさいと思われるよりはいい。
「これはあたしの推測だけど・・・」
婆ちゃんが身を乗り出して小声で言うと、皆同じようにして5人そこへ顔を寄せた。
「なんか契約があったんじゃないかと思ってるんだよ」
「契約?」
「・・○と千尋の神隠し」
「隠されてねぇよ」
櫂に言われて俺はすかさず突っ込んだ。
「え?違うだろ。契約と言えば○の動く城だろう?」
と櫂父が訂正しているが、そんなことは今どうでも良い。帰ってから親子でバトルしてくれと思った。
「おい、あたしは真面目に話してるんだ。おかしいじゃないか、先祖がいないなんてことあるはずないだろ?何か事情があって意図的にそうされたんじゃないかと思うんだよ。たぶんちー坊の言う安全地帯と関係あるよ」
「鳥居は?」
「それは今までは半信半疑だったんだけどね、今回のことを聞く限り無関係とは言い難いね」
「やっぱりあの鳥居は何かあると思ってたんだよ」
櫂のお父さんが体を起こしながら言った。
「っよく言うよ!ろくに調べもしなかったくせに」
「だって母さんだって悪いもんじゃないって言ってたじゃないか!」
いやいや、俺のことで親子喧嘩はよしてくれと思ってたら秋山さんが唐突に言った。
「そういえば鈴の音、俺も聞いたんですよ!」
秋山さんがなぜかとても嬉しそうだ。俺はそのキラキラしてる瞳を少し冷たい目で見た。
オカルトが好きなのは良いが、こっちの苦労も知らずにあまり面白がられるのもしゃくだった。
「なんかあれだね、二人が聞いたその音が同じ音だとしたら、千尋さんがそっちの世界に行ってた時間はほん数分しかなかったことになるよね?」
「・・そういやそうだな」
黒い鳥居の中を歩いた時間はそこそこあった気がするのに、秋山さんの話だと、俺が目覚めるまで10分くらいしかなかったことになる。
「まあ、その辺はきっとあちらの時間で動いてるってことだね」
「そんなことあんの?」
「さあね。行ったことないからわからないよ。そう遠くない未来に行くからそしたらおまえさんに教えてやるよ、アハハハハっ」
「・・・・」
笑えない。頼むから俺のために長生きしてくれと心で思った。
「なんだ、ピンピンしてるじゃないか」
「あ、婆ちゃん」
「心配で飛んで来たのにさ」
櫂の婆ちゃんが腰に手を当てて溜息をついている。櫂と櫂のお父さんまでいた。
「すみません、俺がお呼びしたんです。あなたの部屋のドアが最初開かなくて心配になって」
秋山さんが申し訳なさそうにそう言った。
そうだったのか。
「いえ、お願いしたの俺なんで・・すいません。婆ちゃんも、おじさんもご迷惑かけてすいません」
「で?なんで戻ってこれたの?行ったんだろ?あの世へ」
「ええ?一度死んだみてえに言うなよ」
「ハハッここにいるってことは鳥居のおかげで帰って来れたのかい?」
「いや・・どっちかって言うと秋山さんのおかげっす」
そう言って秋山さんをチラッと見ると照れ臭そうに下を向いた。
夜中の0時、詳しく聞かせろと言う婆ちゃんのために二階の自室に上がってもらい、秋山さんが仕入れた情報と俺の無謀なチャレンジの話を聞かせた。
「馬鹿だね、あんたは!父ちゃんのお守りが必ずしもあんたに効くとは限らないんだよ?!」
「そうなの?」
「父ちゃんも霊感は強かったけど、ご先祖の力も強かったからそうゆうお遊びも出来たんだよ。けどあんたは違うんだ」
「なにそれ?初耳なんだけど?ご先祖って父ちゃんも俺も一緒じゃねぇの?!」
まさか父ちゃんの子じゃねえとかか?!それの方がぶったまげるわ!
「馬鹿なこと言ってんじゃないよ。同じに決まってるだろうよ」
良かった・・。とりあえず一安心だ。
「じゃあどう違うの?」
「さあね」
「はあ?」
「あたしにもはっきりしたことはわからないよ。けどあんたにはご先祖が見えないんだ」
「ええ?」
どういうことだ・・?
「不思議なんだけどね、誰にだっているはずのご先祖様がいないことになってるんだよ」
「え?それは何か意図的なものなんですか?」
「良い読みしてるね、あんた」
秋山さんが興味津々だ。
実はこの手の話が好きなんだな、この人。まぁ面倒くさいと思われるよりはいい。
「これはあたしの推測だけど・・・」
婆ちゃんが身を乗り出して小声で言うと、皆同じようにして5人そこへ顔を寄せた。
「なんか契約があったんじゃないかと思ってるんだよ」
「契約?」
「・・○と千尋の神隠し」
「隠されてねぇよ」
櫂に言われて俺はすかさず突っ込んだ。
「え?違うだろ。契約と言えば○の動く城だろう?」
と櫂父が訂正しているが、そんなことは今どうでも良い。帰ってから親子でバトルしてくれと思った。
「おい、あたしは真面目に話してるんだ。おかしいじゃないか、先祖がいないなんてことあるはずないだろ?何か事情があって意図的にそうされたんじゃないかと思うんだよ。たぶんちー坊の言う安全地帯と関係あるよ」
「鳥居は?」
「それは今までは半信半疑だったんだけどね、今回のことを聞く限り無関係とは言い難いね」
「やっぱりあの鳥居は何かあると思ってたんだよ」
櫂のお父さんが体を起こしながら言った。
「っよく言うよ!ろくに調べもしなかったくせに」
「だって母さんだって悪いもんじゃないって言ってたじゃないか!」
いやいや、俺のことで親子喧嘩はよしてくれと思ってたら秋山さんが唐突に言った。
「そういえば鈴の音、俺も聞いたんですよ!」
秋山さんがなぜかとても嬉しそうだ。俺はそのキラキラしてる瞳を少し冷たい目で見た。
オカルトが好きなのは良いが、こっちの苦労も知らずにあまり面白がられるのもしゃくだった。
「なんかあれだね、二人が聞いたその音が同じ音だとしたら、千尋さんがそっちの世界に行ってた時間はほん数分しかなかったことになるよね?」
「・・そういやそうだな」
黒い鳥居の中を歩いた時間はそこそこあった気がするのに、秋山さんの話だと、俺が目覚めるまで10分くらいしかなかったことになる。
「まあ、その辺はきっとあちらの時間で動いてるってことだね」
「そんなことあんの?」
「さあね。行ったことないからわからないよ。そう遠くない未来に行くからそしたらおまえさんに教えてやるよ、アハハハハっ」
「・・・・」
笑えない。頼むから俺のために長生きしてくれと心で思った。
更新日:2014-05-18 18:50:28