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Prayer

 俺は、サムのことを『牧師』と呼ぶのをやめていた。月明かりの中に揺らぐ紫煙。嫌な匂いがする。俺はサムから目を背ける。震える手で、J.Kの大きな背中にしがみ付いていた。
 サム、ごめん。と、俺は何度も心の中で謝っていた。俺はまだ、人の温かさを感じていた。俺はあんたみたいに、非情にはなりきれないんだ。

更新日:2014-03-18 00:33:30

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