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小説

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「まあたこの店は客一人だけかいなー」と山ちゃん。
「ほっとけや」とタケジ。
「しっかしヒロジもよう飽きひんなー」
「ほっとけや」とヒロジ。
「今寄って来た店パンパンやったでー」
「他所は他所!おかんも言うてたやろ」とタケジ。
「ほんで人通りもめっちゃあったでー」
「要らん報告!いっつも言うてるやろ」とタケジ。
「入口に三本足の蛙の置物でも置きー」
「中国か!」呆れタケジ。
「商売繁盛の縁起物で内に向けんねん」説明ヒロジ。
「ついでに背中に子蛙五匹乗っけろー」
「六カエルで客を迎えると掛かんねん」説明ヒロジ。
「そん位しやんとこの店は無理やろー」
「おい!」たまらずタケジ。
「やっぱ招き猫派かー」
「風水なら東南に龍や」更にヒロジ。
「俺がそんなんやり出したらぁ、本っ気で注意してくれ!」

商店街から路地を入った地下にTHE瀧川はある。
八席しかないカウンターで今日も馬鹿話の最中だ。

「この前ヒロキ見たでー」
「バッターやな。和歌山出の小久保裕紀」とタケジ。
「ピッチャーや。住之江区出の黒田博樹」とヒロジ。
「タケジが前に振られたー」
「また古い話を。ほんで呼び捨てかい!」
「女やったんか。ほんでどこで見たん?」
「例の百貨店の売り場でやー」
「彼女の職場や」
「ほな居るやろ」
「ちょっと出世やっとったぞー」
「それ聞いて俺は何て言えばええねん!」
「分かるでタケジ。それは要らんやつや」

更新日:2014-02-21 06:12:52