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可愛い恋人 (2014,1,14)




 「ただいま~。いい子にしてたか?」、そう言って、リビングに




入ると




 「みゃ~・・」、っと、俺の足元にすり寄り、斜めに顔を傾けて




まるで誘うような視線をよこす。







 「なんだよ、お腹すいたのか?」、俺がしゃがみ込んで抱き




しめようとすると




 ”ちゅっ”っと、その鼻先を俺にくっつけてくる。







 「おいおい、お前、オスなんだからな・・・」、俺がひょいっと




抱き上げれば、ゴロゴロと喉を鳴らしてまた、鼻先を寄せる。







 「可愛いなあ~」、メロメロな俺の腕の中にいるのは




 真っ白な猫。







 6年前に、舞台稽古の帰りに拾ったそいつは、黒猫かと




思うほど、汚れていて、そしてヤンチャな子猫だった。







 ネコアレルギーの俺は、いつもなら素どうりするのに、




何故か、そいつの前に立ち止まった。







 ”みゃああああ~” そいつは、俺に、抱っこしろ!って




訴えている気がして、そっと膝をおりその場にしゃがんで




みた。







 するすると、俺の腕に入り、そのまま”ちゅっ”っと俺に




キスをしたかと思うと、そいつは、クークーと眠ってしまった。










 ペットOKのマンションに住んでいた俺は、迷うことなく




家に連れて帰った。




 あまりにも汚いそいつを、風呂に入れ、ガリガリなお腹を




満たすべく、少し暖めたミルクを与えると




”みゃみゃみゃ~”っと、何か文句を言いながらも、平らげて




そして、俺のソファーのど真ん中で、お腹を出して転がり




またしても眠り込んだ。







 それからの俺は、仲間との飲み会も断り、真っ直ぐに家に




帰る日々を過ごし、気が付けば、この猫中心の暮らしに




なっていった。







 少しずつ大きくなっていく、そいつは、大人に成長する頃




には、真っ白で、スリムな綺麗な猫に変身していて、




今では、どこのペットショップにもいない、モデルの様な




ネコになっていた。




 

 長期に家を空けるときは、ペットホテルに預けるのだが




必ず、お嫁さんの話が来るほどで、いつも、オスですから




っと、お断りしている。







 それほど溺愛している、その猫の名前は







 ”まお”   何故か、俺はそう呼んでいた。







 そして、マオは、いつも俺の布団で一緒に眠る。







 その鼻先を俺の頬に押し付けて・・・・。




























 猫じゃないんじゃないかって? さあね。







 ふふふ、俺だけの可愛い猫ちゃんのお話でした。
















(///∇//)


更新日:2014-02-20 15:06:14

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