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「智くん、潤に何言ってんの?」

「え?早速やられたか」

智くんを蹴るフリをする。
皆で会社に出勤する途中で、智くんに文句を言った。

「な、何やったの?翔ちゃん」

何で雅紀が嬉しそうなんだよ。

「やられたんでしょうよ、この口ぶりだと」

ニノに同情の視線を向けられる。
俺があの言葉を言ってから、その場が凍りついた。

「翔くん・・・」

「・・・おやすみ」

気まずくて、そのまま部屋に引っ込んで。
潤に言うべきじゃなかった、と後悔して。
なかなか寝付けなかった。
朝の潤は、皆がいるから普通に俺に接してくれてたけど。

「夜は、どうしたらいいんだよ」

「俺が今日も行こうか?」

「絶対ダメ!」

智くんと一緒だと、潤が暴走しそうだ。

『ココをこうすると、翔ちゃんは喜ぶんだ』

俺を動けなくして、俺と潤を弄びそうだ。
自分で想像して、ため息をつく。
智くんが俺に近寄ってきた。

「安心しろよ、翔ちゃん。俺、ふられたから」

「え?」

ふられたって、潤に?

「翔ちゃんが、いいんだってさ」

智くんが笑う。

「おーちゃん、もう告白したんだ」

「早すぎますよ。会って、すぐなんて」

雅紀とニノの言葉に、智くんは。

「いいんだ。もうわかってたから」

「わかってた?」

俺は聞き返す。

「潤は翔ちゃん一筋だ。だから翔ちゃん」

智くんは一旦言葉を切って、俺を真剣に見る。

「潤をふるなら早めにな。期待させんなよ」

「期待なんて」

させてない。
でも不意打ちとはいえ、キス、させてしまった。

「俺、潤に聞かれたもん。翔ちゃんに彼女はいるのか?って」

「え?何て答えたの?」

「いるよ、って言った」

更新日:2014-01-16 20:51:59

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