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「・・・くん、翔くん」

「ん・・・」

「起きて、翔くん」

「ん・・・ん?」

目を開ける。
何で潤の顔が目の前にあるんだ?
気づいた時には遅かった。
両手を押さえられ、俺は潤にキスされてた。
顔を、慌ててそらした。
ふ、って潤の笑う声がした後。
俺の頬にちゅ、と音がした。

「ヨメがダンナに、キスしちゃダメ?」

「おまえ、どうして・・・」

今まで潤は、俺の部屋に入ったことがなかった。
お互いの部屋には入らない。
それは暗黙の了解じゃなかったのか?

「鍵、つけた方がいいんじゃない?」

潤の瞳が静かで。
何だかワザとそんな事を言っているような・・・。

「つけないよ。入りたければ、入ればいい」

「俺、翔くんの部屋で何するかわからないよ?」

「何するんだよ」

「ナニするんだよ」

「何するって?」

「だからナニするんだって」

「何?」

「だから・・・遅刻するんじゃない?」

「え?あっ!」

時計を見て俺は慌てた。
いつもより30分も遅い。
ベッドから降りて部屋を出ようとした時、俺は潤がこの部屋に入った理由がわかった。
振り返って、ベッドに乗ってる潤に言う。

「潤、ありがとう」

「お人好しだね。翔くんは」

「え?」

「ううん。早く支度しないと」

「あっ、うん」

俺は慌てて部屋を出た。

更新日:2014-02-01 16:32:25

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