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「で?」

潤は、冷めた目で俺を見ていた。

「え?いや、だから」

「そんなこと、始めから言ってるし。今さら何を言ってるの?翔くん」

そういえば、ヨメにする気はないし、潤相手じゃ勃たない、って言ったな。
俺は潤にどうにかして、諦めてもらおうと考えて。
部屋に行こうとしてた潤を捕まえた。
で、結果こうなってる。

「俺には彼女がいるんだ。だから」

潤に話を遮られる。

「翔くん」

「な、何?」

「それで、俺の気が変わるとでも思った?」

潤は一つ息を吐いた。

「俺はね、覚悟を決めんだ。何を犠牲にしても翔くんが欲しいって」

俺に近寄ってくる潤。

「翔くんに、その覚悟がなければ」

潤が耳元で囁いた。

「翔くんが、俺の犠牲になって」

潤を睨みつけた。
そんなこと、出来る訳ないだろう。
俺と潤は、何秒か睨み合っていたけど。
潤は俺から視線をそらし、おやすみ、と告げると自分の部屋に入っていった。

更新日:2014-01-24 13:44:04

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