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‡第3章:2日目‡

「ん………。」
朝、目が覚めた時に感じたのは私をとりまく環境の違和感だった。ベッドの硬さが違うし、布団の重さが違うし、部屋のにおいも違う。
………あぁ、そっか。ここ、アネットの部屋なんだ。
アネットのベッドの方を見ると、まだアネットは寝ている様だった。
素早く寝間着から普段着に着替え、ベッドから降りる。
今日の朝ご飯は私が作らなきゃ。
そう心の中で呟いて、物音をたてない様に注意して部屋を出た。



「できた!」
今日の朝ご飯の出来の満足感に浸っている時だった。
「おはよう……。」
通常のアネットでは考えられない程のテンションのアネットがそこにいた。
「お、おはようございます。」
普段とのギャップにちょっと、いや、かなりドン引きしつつ、私は応えた。
「あ、あの。」
「うん?」
「具合、悪いですか……?」
もしかして、呪いの反動?と思った私を予想外の言葉が壊した。
「あーー…違う。俺、低血圧なんだ。」
「え……?」
「朝、起きれないし、はっきり言ってあと3時間ぐらい寝たいと今思ってるし。」
「朝ご飯食べられますか?」
「食べる点に関しては大丈夫。今日、朝ご飯作ってもらえて、本当助かってる。いつもは作る気力なくて食べないから。」
アネットは、ふわぁ~とあくびをしながらリビングのテーブルについた。
今にも寝そうな雰囲気だ。早く料理を運ぼう。
そう思った。

更新日:2014-08-13 20:05:54

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