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‡プロローグ‡

「やっほ、スーベル!!卒業おめでと!」
後ろから誰かに飛びつかれる。でも、私はこの声を知っているんだ。
「ミジュレイヌこそ!」
華麗にミジュレイヌの束縛から逃れつつ、私は言った。
「これで明日からは一人前の天使だよ!」
私が腕から居なくなったのが、少し不満な様だ。でも、嬉しさの方が勝った様で、ミジュレイヌは声を弾ませた。
分かるように説明しておくと、私達天使は神に創られる。でも、まだその時点では未熟だ。だから『師匠』の位を天からもらっている、先生となる天使から教育を受ける。そして、その先生天使が合格を出すと、一人前の天使として認められるのだ。
一人前の天使の証は、身体のどこかにつける、金属器と呼ばれる物を身につける事。
金属器とは、天使がちょっとの事では穢れない様にするための道具だ。ちなみに、最初の金属器は先生天使から受け取らなければならない。そして、他の天使の金属器を借りるのは天界の掟で禁じられている。
天界の掟を破った天使に与えられるのは永遠の死。誰もそれを望む者はいないから、今まで天界の掟を破った天使はいない。

更新日:2014-03-25 18:10:21

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