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マクドナルドから久保田んちまでは、幼稚園までのコースとほぼ同じ。
小学校までの通学路とはちがうから、若菜とここを歩くのは、ホントひさしぶりだ。
角に美咲先生も知ってる『お売りください』の店があって。
若菜が外国に行く前には、なかった店だ。
この4年だけでも、ホントに変わった。
「若菜。知ってた?この店って、『買い取りいたします』から『お売りください』にキャッチコピー変えて、大成功したんだぜ?」
「へぇー?そうなんだ?」
「世の中、下から物を言ったほうがやわらかく感じるだろ?」
「そうだねー」
「iPadお貸しください」
「ダメ。特に真琴には、二度と貸さない」
あんまり変わらない‥‥‥‥。
そこからまたちょっと歩くと、また『お売りください』の店。
「ここにもあるぅ。こんな近くでやってけんのかな?」と、若菜。
「近いからうまくいくんだってば」
「どうして?」
「あっちの大きい『お売りください』は、本とCDとDVDとか、なんでも買う。こっちの『お売りください』は、主にゲームとDVD」
「おんなじじゃないの」
ちっ!ちっ!ちっ!
「こっちの店は、あっちの大きい店の見積もり値段にプラスして引き取るのがウリなんだよ」
「ま!」
見積もりが出てからだから、負けるはずがない。
だから大っきい店に近いのは、むしろラッキーなんだ。
「売りたい人が集まって来てるわけだから。だろ?」
「なるほどねーーーー!よく知ってるーーーーー!真琴すごーーーい!」
お?いいぞいいぞ?
ハート、がっちりリターンか?
「そんなオレに、iPadお貸しください」
「ダメ」
あんまり変わらない‥‥‥‥。
よ〜し。こうなったらとっておき情報だ!
更新日:2014-02-07 17:00:12