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「ラッキーやー」
「どないしたん山ちゃん」とヒロジ。
「猫のくしゃみ聞いたー」
「イタリア人か」つっこむタケジ。
「ビチクレッタ」意味有りげ山ちゃん。
「そら何なん?」気になるヒロジ。
「イタリア語で自転車ー」
「言いたいだけやん」呆れるタケジ。
「パケラッター」
「関係あれへん」とタケジ。
「バぁやしな」とヒロジ。

商店街から路地を入った地下にTHE瀧川はある。
八席しかないカウンターで今日も馬鹿話の最中だ。

「猫はしゃべれんねん。実は、な」おもむろにタケジ。
「出た出たで」とヒロジ。
「何やそれー」と山ちゃん。
「ある冬に連れん家で皆で呑んでてんや。ええ感じで酔うてたら、そこん家の猫が入って来てん。おもろがって酒飲ましたら、えらいすぐ回ってな。ふらつきながら、僕合うてますのん?みたいな顔しとったわ」
「そんなんしたったらあかんで」
「酒て一体何を飲ましたんやー」
「そこちゃう。まあ聞けて。ほんで猫も、ここ居ったらあかん思たんやろ、出て行こうとしてん。せやけど酔うとるから、石油ストーブの方にヨロヨロォッて行ってもてんや。びびったんと熱かってんやろな『危な!あっつ』て確かに言うてん」
「ペットと話せるとか、まじ嫌いやわ」
「そう聞こえただけや、しょうもなー」
「そんなんとちゃうねんて。そん時チラッてこっち見た猫と目ぇ合うてんけど、あかん!ばれたか?て顔やって、慌ってて『にゃあー』言うたけど、完っ全に棒鳴きやったもん。隠しとかなあかんねやろな、実はしゃべれんの」
「逆襲のシャアや思たら、誤魔化しのニャアやった!」ふざけるヒロジ。
「酔い明けのシャアは、ただただ下痢の音やったー!」山ちゃんも。
「せめてニャアの方使えや」つっこむタケジ。

更新日:2013-12-12 09:32:00

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