• 作品を探す:

小説

携帯でもPCでも書ける!

  • 2 / 764 ページ

第一話 旅立ち

閉めきった雨戸の僅かな隙間から入ってくる朝の陽射しと共に チュンチュンと小鳥の鳴く声が聞こえる。

「んんっーー」

黒髪の少年が両腕を伸ばし、起き上がる。

「さぁーって今日はついに、未知の世界への冒険だ!そして…この呪いを解かないと…」

そう言って自分の左手の甲をみると そこには謎の黒い模様が描かれていた。

この少年の名は ユラト・ファルゼイン 

見た目は普通の少年だが、生まれたときからなぜか謎の紋章が手の甲に刻まれていた。

両親は神官や医者にその手の甲を見せたが何らかの呪いを受けているのではないかということしか分からなかった。

そして呪いのために、魔法を使用すると通常の人の倍以上の魔力を消費してしまう体質になっていた。

また、両親は数年前に結界が解けたときに現れた魔物の大群に襲われた際に他界している。

身寄りの無い彼は、村の人達の助けを借りながら、冒険者育成のための冒険者学校を出て、ここで一人暮らしていた。

「考えていても仕方ないか。さっさと朝ご飯食べて出かけるかな」

そう言いながら雨戸を開けると、近くにいた小鳥達が飛び去っていき、太陽の光が入ってくる。

ユラトは眩しさのあまり一瞬目を閉じたが、直ぐに目が慣れ辺りの景色を眺めると昨夜降っていた雨は止み、空は雲一つない晴天に恵まれていた。

しかし、遠くの海の方を眺めると水平線の先に薄っすら黒い霧が見える。

この霧は神話や伝承によれば、魔王が死ぬときに放ったとされる視界を遮る程の黒い霧状の気体であり、世界中を覆っていると噂(今のところいく先々に存在している)されている。

そして、黒い霧で覆われた場所を人々は「暗黒世界」と呼んでいる。

この霧がある場所に長時間(個人差がある)魂や魔力を持つ生命体がそこに留まっていると、様々な害悪(人が魔獣化したりモンスターが凶暴になったり、体調不良や疾病等)があるとされる。






更新日:2013-12-07 19:00:37