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そのゲームは幾つもの可愛らしいキャラクターをグラス上に映し出し、それを擬似的に捕獲するという、よくあるゲームだった。
しかし、捕獲したキャラクター同士を戦わせる事が可能で、戦略の幅広さなど、その巧みなゲーム性が買われ、若者を中心に人気になった。
そのゲームで、伝説のキャラクターと呼ばれる、普通では遭遇できないものが居るらしく、それと遭遇するとグラスが爆発するとか、グラスが制御不能になり様々な障害が現れるとか、酷いものだと、見ると死ぬという噂が立っていた。
なんでも、海外の公式サイトから、本日の正午12時に日本のこの座標にそのキャラクターを登場させると、発表があったのだという。
しかし、その発表を表示したウェブ上のページはすぐに抹消されてしまったらしく、一部ではデマであると、言われていた。
「本当なのかな」
「どうだろうね」
約1ヶ月ぶりの再会となる彼女は、相も変わらず美しく、僕の恋心は深まるばかりであった。
情報のあった場所は都内の大きな交差点の真ん中で、10分前に到着すると、そこは異常な人だかりになっており、機動隊まで出動していた。
「もう秋なのに、まだまだ暑いね」
「そ、そうだね。はやく、冬になればいいのに」
そして、今度は本物の雪を一緒に見られれば良いのにね。
そう、口にしようとした瞬間、グラスが頭上に影を捕らえた。
巨大な、炎を纏った鳥が、羽ばたきながらビルの間から顔を覗かせている。
その鳥は透過されていなかった。
そいつがグラスに現れた瞬間、一斉にそこに居た人々が交差点へと駆けだした。
呆気にとられた僕と彼女は、その大群にはじき飛ばされ、地面にたたきつけられた。
「だ、大丈夫?」
「ねえ、あれ」
彼女は空を指さす。
僕等のグラスは人々にぶつかった衝動で、地面に落ちていた。
空には、銀色の長細い巨大な物体が、炎を纏い、交差点の中心を目掛けて、落下していた。
しかし、捕獲したキャラクター同士を戦わせる事が可能で、戦略の幅広さなど、その巧みなゲーム性が買われ、若者を中心に人気になった。
そのゲームで、伝説のキャラクターと呼ばれる、普通では遭遇できないものが居るらしく、それと遭遇するとグラスが爆発するとか、グラスが制御不能になり様々な障害が現れるとか、酷いものだと、見ると死ぬという噂が立っていた。
なんでも、海外の公式サイトから、本日の正午12時に日本のこの座標にそのキャラクターを登場させると、発表があったのだという。
しかし、その発表を表示したウェブ上のページはすぐに抹消されてしまったらしく、一部ではデマであると、言われていた。
「本当なのかな」
「どうだろうね」
約1ヶ月ぶりの再会となる彼女は、相も変わらず美しく、僕の恋心は深まるばかりであった。
情報のあった場所は都内の大きな交差点の真ん中で、10分前に到着すると、そこは異常な人だかりになっており、機動隊まで出動していた。
「もう秋なのに、まだまだ暑いね」
「そ、そうだね。はやく、冬になればいいのに」
そして、今度は本物の雪を一緒に見られれば良いのにね。
そう、口にしようとした瞬間、グラスが頭上に影を捕らえた。
巨大な、炎を纏った鳥が、羽ばたきながらビルの間から顔を覗かせている。
その鳥は透過されていなかった。
そいつがグラスに現れた瞬間、一斉にそこに居た人々が交差点へと駆けだした。
呆気にとられた僕と彼女は、その大群にはじき飛ばされ、地面にたたきつけられた。
「だ、大丈夫?」
「ねえ、あれ」
彼女は空を指さす。
僕等のグラスは人々にぶつかった衝動で、地面に落ちていた。
空には、銀色の長細い巨大な物体が、炎を纏い、交差点の中心を目掛けて、落下していた。
更新日:2017-06-25 00:12:37