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お題:可愛い動揺 必須要素:三つ巴 制限時間:1時間
三角関係なんて言葉がある。
ドロドロして、ネチネチして、チクチクして、不穏なフレーズ。
ドラマみたいに画面越しに他人事のように傍観するだけならただの一興だが、当事者にはやっぱりなりたくない。
恋愛話という意味合いでは多少羨ましくも有るが、膨大なストレス、胃の痛くなるようなイベントの乱立を想像すれば、いいなーよりやだなーの方が勝る。昼ドラなんて見れば尚更だ。・・・見たこと無いけど。
そもそも大体において、三角関係とは結果的に見れば二人の恋路を引っ掛けまわす、不確定要素が混ざっただけ。トランプで例えるならば、捨て札がたまたまジョーカーだったというだけ。
単純なストーリを外連な文章で無理やり面白くしようとした売れ筋ラノベのシリーズの第6巻辺りのようである。
面白ければなんでもいいが、それでは、オタクブロガーのネタばれ記事を見て読もうか考えているライト層の購買欲を刺激しない残念な結果を招く。そんなことを続ければ既刊を全部読んでいるファンだって離れてしまう。まぁ、だからといって、無理やり凝ったストーリー展開を望んでいるというわけではない。
要は、良い意味でのサプライズを、驚きと新鮮さを僕らは望んでいるのだ。
・・・って、なんで、ライトノベルの話をしているんだ僕は。それにライトノベルは、高校時代に友達から無理やり勧められて読んで以来疎遠であるというのに。まったく、触りを知って偉そうに語るのは僕の悪い癖である。
閑話休題。兎にも角にも、三角関係は体験なんぞお願いされてもしたくないということだ。そもそも、自分に縁のあるフレーズであるなんて、つい最近まで思っても見なかった。
しかも、僕が忌み嫌う、ジョーカーの役割を買って出るなんて。
「あのね、先輩がね。今日、私の描いてる絵を褒めてくれたのっ。完成するのが楽しみだって」
今日も今日とて、彼女は想い人の話を最寄駅までの僅かな一緒の帰り道を歩く貴重な時間に僕へと聞かせることに夢中だ。
「うんうん、良かったね。モチベーションあがるじゃん」
「いやいや、手が震えちゃってもう。私、あの絵完成させられないかもー。・・・わぁ、すごいね。」
満開の期を過ぎて散る、桜の花びらが、ドラマやアニメの演出みたいに僕らの頭上をひらひらと風に乗って幾枚も舞い降りてきた。
「きれー。絵になりそうだね」
「・・・・・・僕は君が好きだよ」
「えっ、・・・えっ、どうしたの急にそんな冗談」
顔を火照らせる彼女と、柄でもない台詞が唐突に口に出たことに、想わず笑みが毀れた。
僕は立派なジョーカーになるとここに宣言しよう。
いや、冒頭で長々と説明したとおり、結局のところ誰が三角関係において、二人の恋路を掻き回す第三の不確定要素である、ジョーカーであるというのは結果論でしかない。
つまり、僕がジョーカーであるということはまだ、決まった分けではないのだ。
3枚のカードはまだ伏せられている。
そんな訳で、あわよくば僕はスペードのAで先輩にジョーカーの座を譲ろうかと企んでいる。
このお話が彼女の逆ハーレム漫画で、読者の人気投票の末に先輩でも僕でもない、誰とも知らぬどこぞの馬の骨と結ばれるなんて結末で唐突な打ち切り。なんてことがないよう祈りながら。
ドロドロして、ネチネチして、チクチクして、不穏なフレーズ。
ドラマみたいに画面越しに他人事のように傍観するだけならただの一興だが、当事者にはやっぱりなりたくない。
恋愛話という意味合いでは多少羨ましくも有るが、膨大なストレス、胃の痛くなるようなイベントの乱立を想像すれば、いいなーよりやだなーの方が勝る。昼ドラなんて見れば尚更だ。・・・見たこと無いけど。
そもそも大体において、三角関係とは結果的に見れば二人の恋路を引っ掛けまわす、不確定要素が混ざっただけ。トランプで例えるならば、捨て札がたまたまジョーカーだったというだけ。
単純なストーリを外連な文章で無理やり面白くしようとした売れ筋ラノベのシリーズの第6巻辺りのようである。
面白ければなんでもいいが、それでは、オタクブロガーのネタばれ記事を見て読もうか考えているライト層の購買欲を刺激しない残念な結果を招く。そんなことを続ければ既刊を全部読んでいるファンだって離れてしまう。まぁ、だからといって、無理やり凝ったストーリー展開を望んでいるというわけではない。
要は、良い意味でのサプライズを、驚きと新鮮さを僕らは望んでいるのだ。
・・・って、なんで、ライトノベルの話をしているんだ僕は。それにライトノベルは、高校時代に友達から無理やり勧められて読んで以来疎遠であるというのに。まったく、触りを知って偉そうに語るのは僕の悪い癖である。
閑話休題。兎にも角にも、三角関係は体験なんぞお願いされてもしたくないということだ。そもそも、自分に縁のあるフレーズであるなんて、つい最近まで思っても見なかった。
しかも、僕が忌み嫌う、ジョーカーの役割を買って出るなんて。
「あのね、先輩がね。今日、私の描いてる絵を褒めてくれたのっ。完成するのが楽しみだって」
今日も今日とて、彼女は想い人の話を最寄駅までの僅かな一緒の帰り道を歩く貴重な時間に僕へと聞かせることに夢中だ。
「うんうん、良かったね。モチベーションあがるじゃん」
「いやいや、手が震えちゃってもう。私、あの絵完成させられないかもー。・・・わぁ、すごいね。」
満開の期を過ぎて散る、桜の花びらが、ドラマやアニメの演出みたいに僕らの頭上をひらひらと風に乗って幾枚も舞い降りてきた。
「きれー。絵になりそうだね」
「・・・・・・僕は君が好きだよ」
「えっ、・・・えっ、どうしたの急にそんな冗談」
顔を火照らせる彼女と、柄でもない台詞が唐突に口に出たことに、想わず笑みが毀れた。
僕は立派なジョーカーになるとここに宣言しよう。
いや、冒頭で長々と説明したとおり、結局のところ誰が三角関係において、二人の恋路を掻き回す第三の不確定要素である、ジョーカーであるというのは結果論でしかない。
つまり、僕がジョーカーであるということはまだ、決まった分けではないのだ。
3枚のカードはまだ伏せられている。
そんな訳で、あわよくば僕はスペードのAで先輩にジョーカーの座を譲ろうかと企んでいる。
このお話が彼女の逆ハーレム漫画で、読者の人気投票の末に先輩でも僕でもない、誰とも知らぬどこぞの馬の骨と結ばれるなんて結末で唐突な打ち切り。なんてことがないよう祈りながら。
更新日:2016-04-10 09:17:37