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最高の贅沢

「はあ。幸せ~~~。」

めっきり冷え込むようになってきた11月1日。

人肌恋しいのは、まおを抱きしめて埋めることができるけれど。
物理的な寒さは、やっぱりぬくぬくのコタツにもぐりこむのが一番だ。
心底ほっとして、日本人でよかったなあ。と思う。

両手まで突っ込むんで、ほっこりしていると、45cm四方の小ぶりのコタツにまおがぐいぐいと俺を押しのけて??入ってくる。

「お前・・・。わざわざこんな狭いところに入ってこなくても・・・。」
「だって、ここがよかったんだもん。」

あえて、狭い一面に二人でぎゅうぎゅうになりながら肩を寄せ合ってもぐる。
まおの手には、ハーゲンダッツのクッキー&クリームがヒトツだけ握られている。

ぱかっとふたをあけ、満足そうにアイスを口にいれる。

「ずるいなあ。お前。自分だけかよ。」
「え?だって大ちゃん、そんなにアイス好きじゃないでしょ・・?」

そりゃそうだけれど。

ぬくぬくとしたコタツで、そんな幸せそうな顔して食べんの見てたら、ほしくなるんだよ。

「あ~~。しあわせ。」

ぱく。と目を瞑りながらもう一口アイスを口に放り込むまおの口元をみていて・・・・。

「俺にも、ちょうだい。」

目をつむったままのまおの口に口づけ・・・・・。

口の中に舌先を忍びいれると、ひんやりと甘いアイスの味。

「んんっ・・・。」

鼻から漏れるまおの甘い吐息。

味わいなれた、まおのふんわりあまい香りと混じって、とろけるように幸せな味覚になって・・・・。

そのまま、口のなかのアイスがすっかり溶けきるまで、まおの舌先とじゃれあい。

名残惜しく糸を引きながら、離れてゆく唇を指先でたどる。

「ごちそうさまでした。」

たった今離れたばかりのキスのせいで濡れた唇に、ちゅ。と口づけると、甘い味がした・・・。


コタツに入って、まおとキスをしながら、アイスを食べる。

ああ。最高の贅沢かな。


寒いのも、いいなあ・・・・。

そんな幸せを噛み締めながら、狭いコタツの中で、更にぎゅううっと肩を寄せ合った。

更新日:2013-11-02 22:03:09

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