- 29 / 48 ページ
嬉しきかな?悲しきかな??
「ただいま~~。」
玄関にはまおの靴があるというのに、返事がない。
「ただいま~~??」
リビングに足を踏み入れると、静かな空間に鉛筆が紙を引っかく音がする。
カリカリカリ。
まおがコタツに入って、一生懸命問題集と格闘している。
ふと、手を止めてはくるくるとシャープペンを回す。
ん~~??と天井を向いて、考え込む。
「ただいま?」
「うっわあああ。びっくりしたあ。」
顔をのぞ込むと、びくうっと飛び上がって驚くまお。
「わあ。ごめん。ごめん。邪魔したかな?」
「あ。ううん。ちょうど、煮詰まってたところ。」
まおの手元をのぞくと、懐かしい何㎡に照明がいくつ必要だとか、柱が必要だとか、その計算式だとかが書いてある。
「わお。懐かしいなあ。」
「・・・えっ!?大ちゃんわかるのっ!?」
「そりゃあ。俺、建築専攻だったもん。・・・ほら、これをこうやって・・・・。」
式の途中でぐるぐると落書きになってしまっている部分から、まおのシャープペンを取り上げて書く。
「・・・・大ちゃん。すごいね~~。そんけ~~。」
「そりゃあ、大学に行ってるから当たり前だろ?」
「でも、すごい~~。ほんと、何でもできちゃうんだねっ!!」
キラキラ、と尊敬の眼差しで見詰められ、大学に行ってて、しかも建築専攻でよかったなあ。
などど、思わず両親に感謝する。
「腹、減ってない?・・・晩メシ、何にする?」
「あっ!!ごめんっ。まだ、何も用意してないよ。」
あたふたと問題集を片付け出すまお。
「いいって。まおは、勉強の続きしてろよ。パスタぐらいなら、冷蔵庫にあるもんで作れるからさ。」
「わあ。ありがとお。」
あ。この顔好き。
ふわ。と笑いながら俺を見上げてくる瞳がキラキラと輝いていて。
「お礼なんて言わなくていいよ。お前のその笑顔だけで、十分おつりがくるからさ。」
ちゅ。とうるうるぷるんと光る唇にキスをする。
あ。違うか。笑顔だけでおつりがくるから、キスつきだったら俺が得してるんだよな。
うきうき。
たまにはこうやって勉強しているまおを見ながら、キッチンに立つのも悪くない。
フライパンを振る腕も軽くなろうというものだ。
「ほら。まおできたよ~~。」
「うん。今行く~~。」
まおの後姿に声をかけると、久しぶりに作ったナポリタンを並べる。
「わあ。おいしそ~~。」
「ちょっとだけ、チリソース入れてあるからな。」
最近、辛いもの克服、を目指しているまおのために無理のない範囲からずらり、と並べられた調味料をセレクトしてみた。
「んん・・・・。あ。からい・・・けど、美味しいよ?」
「そうか?よかったあ。」
一瞬警戒した表情をみせるけれど、にぱあ。と笑ってくれる。
自分の作ったものを、美味しいよ。と言って食べてくれるのは、単純に嬉しいものだ。
だが、しかし。だ。
「ごちそう様~~。」とささっと食器を洗ったまおは、なぜか「おやすみ~~。」とベッドに向かってしまう。
「ちょっ・・・。まお、いくら何でも早くないか?」
まだ、7時を過ぎたところで。
いくら早寝早起きのまおと言えど、こどもでもこんな早くには寝ないぞ。
「だって、今日大ちゃんBACS10時半でしょ~~。それ見て、帰り待ってたら眠たくなりそうだから。仮眠しとく。じゃあ、出るときには起こしてね。いってらっしゃいはしたいから。」
「ええ~~。それまでどうすんだよ。俺。」
「一緒に寝る?」
「いや。この時間からは寝れないよ。さすがに。」
「ほんとに、ほんとに寝るからねっ!!ちょっかいかけたら怒るからね。」
俺がかまってほしくて、結局起こしてしまうのだろう。と見透かされていて、ドキっとする。
「わかった・・・。おとなしく、読書でもしてる・・・。」
うう。
確かに笑顔とキスだけで十分だとは言いましたけど。
収録終るまで、いちゃいちゃさえもおあずけですか~~???
玄関にはまおの靴があるというのに、返事がない。
「ただいま~~??」
リビングに足を踏み入れると、静かな空間に鉛筆が紙を引っかく音がする。
カリカリカリ。
まおがコタツに入って、一生懸命問題集と格闘している。
ふと、手を止めてはくるくるとシャープペンを回す。
ん~~??と天井を向いて、考え込む。
「ただいま?」
「うっわあああ。びっくりしたあ。」
顔をのぞ込むと、びくうっと飛び上がって驚くまお。
「わあ。ごめん。ごめん。邪魔したかな?」
「あ。ううん。ちょうど、煮詰まってたところ。」
まおの手元をのぞくと、懐かしい何㎡に照明がいくつ必要だとか、柱が必要だとか、その計算式だとかが書いてある。
「わお。懐かしいなあ。」
「・・・えっ!?大ちゃんわかるのっ!?」
「そりゃあ。俺、建築専攻だったもん。・・・ほら、これをこうやって・・・・。」
式の途中でぐるぐると落書きになってしまっている部分から、まおのシャープペンを取り上げて書く。
「・・・・大ちゃん。すごいね~~。そんけ~~。」
「そりゃあ、大学に行ってるから当たり前だろ?」
「でも、すごい~~。ほんと、何でもできちゃうんだねっ!!」
キラキラ、と尊敬の眼差しで見詰められ、大学に行ってて、しかも建築専攻でよかったなあ。
などど、思わず両親に感謝する。
「腹、減ってない?・・・晩メシ、何にする?」
「あっ!!ごめんっ。まだ、何も用意してないよ。」
あたふたと問題集を片付け出すまお。
「いいって。まおは、勉強の続きしてろよ。パスタぐらいなら、冷蔵庫にあるもんで作れるからさ。」
「わあ。ありがとお。」
あ。この顔好き。
ふわ。と笑いながら俺を見上げてくる瞳がキラキラと輝いていて。
「お礼なんて言わなくていいよ。お前のその笑顔だけで、十分おつりがくるからさ。」
ちゅ。とうるうるぷるんと光る唇にキスをする。
あ。違うか。笑顔だけでおつりがくるから、キスつきだったら俺が得してるんだよな。
うきうき。
たまにはこうやって勉強しているまおを見ながら、キッチンに立つのも悪くない。
フライパンを振る腕も軽くなろうというものだ。
「ほら。まおできたよ~~。」
「うん。今行く~~。」
まおの後姿に声をかけると、久しぶりに作ったナポリタンを並べる。
「わあ。おいしそ~~。」
「ちょっとだけ、チリソース入れてあるからな。」
最近、辛いもの克服、を目指しているまおのために無理のない範囲からずらり、と並べられた調味料をセレクトしてみた。
「んん・・・・。あ。からい・・・けど、美味しいよ?」
「そうか?よかったあ。」
一瞬警戒した表情をみせるけれど、にぱあ。と笑ってくれる。
自分の作ったものを、美味しいよ。と言って食べてくれるのは、単純に嬉しいものだ。
だが、しかし。だ。
「ごちそう様~~。」とささっと食器を洗ったまおは、なぜか「おやすみ~~。」とベッドに向かってしまう。
「ちょっ・・・。まお、いくら何でも早くないか?」
まだ、7時を過ぎたところで。
いくら早寝早起きのまおと言えど、こどもでもこんな早くには寝ないぞ。
「だって、今日大ちゃんBACS10時半でしょ~~。それ見て、帰り待ってたら眠たくなりそうだから。仮眠しとく。じゃあ、出るときには起こしてね。いってらっしゃいはしたいから。」
「ええ~~。それまでどうすんだよ。俺。」
「一緒に寝る?」
「いや。この時間からは寝れないよ。さすがに。」
「ほんとに、ほんとに寝るからねっ!!ちょっかいかけたら怒るからね。」
俺がかまってほしくて、結局起こしてしまうのだろう。と見透かされていて、ドキっとする。
「わかった・・・。おとなしく、読書でもしてる・・・。」
うう。
確かに笑顔とキスだけで十分だとは言いましたけど。
収録終るまで、いちゃいちゃさえもおあずけですか~~???
更新日:2013-12-01 21:15:41