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2しょう

「ごめん」

「・・・」

潤は答えない。
沈黙。
この沈黙に耐えられなくて。

「ごめん」

もう一度言う。
失敗した。
簡単って言ったの誰?
あ、潤だ。

「俺ね」

あ、やっとしゃべった。

「これぐらいがいいの」

「え?」

意外な言葉が返ってきた。

「これ、かなりギリギリのラインじゃない?」

「まあ、な」

中央がかなり焦げ気味ではあるけれど。
食べれない訳ではない。
でも、さ。
最初に潤のあのホットケーキを見た後では。
失敗作のように見える。
話に夢中になってた俺たちも、悪いんだけど。
始めはあっさりめの話題が、どんどん濃くなっていって。
ホットケーキ焼いてるのも忘れるくらい、楽しくなった。

「俺は結構好きなんだよ。これぐらい」

ね、って潤は笑顔で俺を見た。

「もう一個作ろう。今度は俺、あんまりしゃべんないようにする」

「いや、俺も悪かったよ。話が盛り上がりすぎた」

「久しぶりに翔くんとたくさん話せて、楽しかった」

笑顔で俺を見る潤に、俺は笑顔になる。

「潤」

「だから俺が、翔さんに、手取り足取り、教えてあげる」

あ、あれ?
その言葉に、なんとなく不安を覚える俺だった。

更新日:2013-12-03 22:43:58

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