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第3部長編:犬夜叉:絡繰名劇舞と神隠し
「土地神様村の災厄を御払い下さいませ」
(嫌だ私死にたくないよっ…‼︎)
ー犬夜叉:絡繰名劇舞と神隠しー
題名:村の災厄
魑魅魍魎蠢く悪鬼襲来が闊歩し蹂躙する戦国時代。
土地を我が物とし占領し生き歳生きる者が戦で戦い命を落とす。
死に腐敗する死体群がり突つきばる鴉、悪臭が漂い大地は黒く染まり戦で用いた火薬の臭いが辺り一帯を覆い晴天の空は暗雲が立ち込める。
そこに唯一人黙々と歩いていた者がいた。人間ではなく魑魅魍魎の類い。
人間は唯一人の者を妖怪と呼ぶ存在。人間とは全く異なる存在。
(何処彼処を歩けども唯この瞳に映すは同じ景色のみ私の求める者はない)
妖怪が求めていたのは曇り無き唯一無二の物。
だがその妖怪が求める物は永遠と手に入らぬ物だった。
何故ならば妖怪が求めていたそれは【自分の器】なのだから…。
ある村にて村人達が総出で一同に集まり妖怪が何時出るとも知れぬ真夜中に煌々と燃え盛る焚火を燃やし祈祷を一心不乱に唱え続けていた。
枝葉を持つ巫女姿をした老婆が老体とは思えぬ鋭き眼光で村人を睨む。
老婆が見詰める先には白い衣を着る幼き女子が怯えた顔で村人数人に抑え付けられたまま立ち尽くしていた。
『やめてッ‼︎その子は関係無いわッ‼︎生贄にしないでぇッ‼︎』
我が子を奪われ身動きの出来ぬ母親は泣き叫びながら必死で我が子を取り戻そうと奮闘するも村人数人が頑として立ち塞がり行く手を阻んだ。
『この村の災厄を払うには生贄が必要じゃ人柱となり村を救えるのは幼子にしか出来ぬ事天命と定めて諦めるのじゃさぁ行け戻ればお前の母は死ぬぞ』
ガタガタと小さき体を奮わせながら幼子は誰もいない森へ進み、
そのまま二度と戻らなかった。
時を過ぎて楓の村にて。
冥神の戦いで受けた傷を癒した犬夜叉と殺生丸は事の顛末を伝えた後、
後数日滞在した後村を出る事にした。
殺生丸の肝を奪った妖怪から取り戻さなければ殺生丸の容体が危うい。
何時知れるとも分からぬ爆弾の様な体を抱えたまま此から旅をしなければならぬのだから並大抵の事ではない。
肝を失った事で体の弱体化を抱えた殺生丸が果たして此から先どの様な難関があるかも不明なのだ。危険要素は常に付き纏う。
「おやかごめ犬夜叉達はどうした?」「それぞれ村の外で過ごしてるわ」
「そうかまだ冥神の戦いから数日しか経過しておらぬからな今の内に体力を温存すればえぇ、しかしすぐ様また旅立てばならぬとは熾烈じゃのぅ」
「肝は妖怪の根本を支えてると言っても過言ではありませんからね」
「そうじゃお主らはどうするんじゃ?」「どうとはどういう意味ですか?」
「聞けば犬夜叉と殺生丸の二人旅になりそうじゃがお前達は行かぬのか?」
「私は必要な時に駆け付ける事にしたわ村を余り離れるのは良くないから」
かごめは巫女じゃから納得するが。
「私は出来れば一緒に行きたいのですが何分連れはあの殺生丸ですし折角兄弟水入らずの旅ですから邪魔者はいない方が羽根を伸ばせるでしょう?」
「何の気遣いしてるのさウチの人は」「弥勒様ッ…」
「あ、勿論私もいざ必要とあらばすぐに駆け付ける腹積もりですので」
弥勒様妖怪退治で生き生きしていたものねぇ(笑)
心に風穴が空いているとか上手い事言ってたぐらいでいっそ旅に出ようかとか仕掛けたくらいだったし(笑)
「まぁでも冥神の様な余程の強敵が現れない限りは大丈夫でしょう、あの二人は並大抵の妖怪では相手になりませんからね」「まぁ確かにそうだね」
「しっかし殺生丸とまさか犬夜叉が二人旅とはのぅある意味気になるぞ」
「あっそうだ‼︎いっその事隠れて二人の様子見がてら私も旅を「駄目だよ」
「そうよ弥勒様には子供達の面倒を見る大切な役目があるんだから。それに犬夜叉達なら臭いですぐに気付かれるわよ」「はぁ、そうでしたね」
「あの気の落ちよう、マジで行く気じゃったんか」「弥勒様ッ…」
でも犬夜叉はもう何だかんだ殺生丸とは随分長く一緒に過ごす機会があるから今更気にする事はないわよね?
その頃犬夜叉は村を一望出来る木の枝で体勢だらしなくしてもの思いに耽っていた。(成り行きだがまさか殺生丸と一緒に二人旅する事になる何てな)
今までも所用や緊急事態の際は共に行動していたが道中物見遊山の様な旅等は考えた事もなかった。勿論今回の旅も緊急事態だ。
普段二人で旅をする必要は元来起こり得ないのだから。
それにかごめ達との旅とは根本的に異なる決定的な違いがある。
自分も半妖だが兄は正真正銘妖怪だ。
勿論妖怪を敵視する人間の住まいには行けないし道中宿泊も皆無だ。
正しく妖怪同士での旅となるのだろう。
(過ごし方は多分普段と同じだろうな、飯は自給自足で用意すっか、後でかごめ達に旅支度の時に食料貰うか、後は…)「何を百面相している犬夜叉」
ー犬夜叉:絡繰名劇舞と神隠しー
ー村の災厄:終ー
(嫌だ私死にたくないよっ…‼︎)
ー犬夜叉:絡繰名劇舞と神隠しー
題名:村の災厄
魑魅魍魎蠢く悪鬼襲来が闊歩し蹂躙する戦国時代。
土地を我が物とし占領し生き歳生きる者が戦で戦い命を落とす。
死に腐敗する死体群がり突つきばる鴉、悪臭が漂い大地は黒く染まり戦で用いた火薬の臭いが辺り一帯を覆い晴天の空は暗雲が立ち込める。
そこに唯一人黙々と歩いていた者がいた。人間ではなく魑魅魍魎の類い。
人間は唯一人の者を妖怪と呼ぶ存在。人間とは全く異なる存在。
(何処彼処を歩けども唯この瞳に映すは同じ景色のみ私の求める者はない)
妖怪が求めていたのは曇り無き唯一無二の物。
だがその妖怪が求める物は永遠と手に入らぬ物だった。
何故ならば妖怪が求めていたそれは【自分の器】なのだから…。
ある村にて村人達が総出で一同に集まり妖怪が何時出るとも知れぬ真夜中に煌々と燃え盛る焚火を燃やし祈祷を一心不乱に唱え続けていた。
枝葉を持つ巫女姿をした老婆が老体とは思えぬ鋭き眼光で村人を睨む。
老婆が見詰める先には白い衣を着る幼き女子が怯えた顔で村人数人に抑え付けられたまま立ち尽くしていた。
『やめてッ‼︎その子は関係無いわッ‼︎生贄にしないでぇッ‼︎』
我が子を奪われ身動きの出来ぬ母親は泣き叫びながら必死で我が子を取り戻そうと奮闘するも村人数人が頑として立ち塞がり行く手を阻んだ。
『この村の災厄を払うには生贄が必要じゃ人柱となり村を救えるのは幼子にしか出来ぬ事天命と定めて諦めるのじゃさぁ行け戻ればお前の母は死ぬぞ』
ガタガタと小さき体を奮わせながら幼子は誰もいない森へ進み、
そのまま二度と戻らなかった。
時を過ぎて楓の村にて。
冥神の戦いで受けた傷を癒した犬夜叉と殺生丸は事の顛末を伝えた後、
後数日滞在した後村を出る事にした。
殺生丸の肝を奪った妖怪から取り戻さなければ殺生丸の容体が危うい。
何時知れるとも分からぬ爆弾の様な体を抱えたまま此から旅をしなければならぬのだから並大抵の事ではない。
肝を失った事で体の弱体化を抱えた殺生丸が果たして此から先どの様な難関があるかも不明なのだ。危険要素は常に付き纏う。
「おやかごめ犬夜叉達はどうした?」「それぞれ村の外で過ごしてるわ」
「そうかまだ冥神の戦いから数日しか経過しておらぬからな今の内に体力を温存すればえぇ、しかしすぐ様また旅立てばならぬとは熾烈じゃのぅ」
「肝は妖怪の根本を支えてると言っても過言ではありませんからね」
「そうじゃお主らはどうするんじゃ?」「どうとはどういう意味ですか?」
「聞けば犬夜叉と殺生丸の二人旅になりそうじゃがお前達は行かぬのか?」
「私は必要な時に駆け付ける事にしたわ村を余り離れるのは良くないから」
かごめは巫女じゃから納得するが。
「私は出来れば一緒に行きたいのですが何分連れはあの殺生丸ですし折角兄弟水入らずの旅ですから邪魔者はいない方が羽根を伸ばせるでしょう?」
「何の気遣いしてるのさウチの人は」「弥勒様ッ…」
「あ、勿論私もいざ必要とあらばすぐに駆け付ける腹積もりですので」
弥勒様妖怪退治で生き生きしていたものねぇ(笑)
心に風穴が空いているとか上手い事言ってたぐらいでいっそ旅に出ようかとか仕掛けたくらいだったし(笑)
「まぁでも冥神の様な余程の強敵が現れない限りは大丈夫でしょう、あの二人は並大抵の妖怪では相手になりませんからね」「まぁ確かにそうだね」
「しっかし殺生丸とまさか犬夜叉が二人旅とはのぅある意味気になるぞ」
「あっそうだ‼︎いっその事隠れて二人の様子見がてら私も旅を「駄目だよ」
「そうよ弥勒様には子供達の面倒を見る大切な役目があるんだから。それに犬夜叉達なら臭いですぐに気付かれるわよ」「はぁ、そうでしたね」
「あの気の落ちよう、マジで行く気じゃったんか」「弥勒様ッ…」
でも犬夜叉はもう何だかんだ殺生丸とは随分長く一緒に過ごす機会があるから今更気にする事はないわよね?
その頃犬夜叉は村を一望出来る木の枝で体勢だらしなくしてもの思いに耽っていた。(成り行きだがまさか殺生丸と一緒に二人旅する事になる何てな)
今までも所用や緊急事態の際は共に行動していたが道中物見遊山の様な旅等は考えた事もなかった。勿論今回の旅も緊急事態だ。
普段二人で旅をする必要は元来起こり得ないのだから。
それにかごめ達との旅とは根本的に異なる決定的な違いがある。
自分も半妖だが兄は正真正銘妖怪だ。
勿論妖怪を敵視する人間の住まいには行けないし道中宿泊も皆無だ。
正しく妖怪同士での旅となるのだろう。
(過ごし方は多分普段と同じだろうな、飯は自給自足で用意すっか、後でかごめ達に旅支度の時に食料貰うか、後は…)「何を百面相している犬夜叉」
ー犬夜叉:絡繰名劇舞と神隠しー
ー村の災厄:終ー
更新日:2014-07-18 16:50:13