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え? 今あんたどこですか!?

玲奈side


「赤司君!?」


私は慌てて口を押えた。


ヤバい、ヤバい、ヤバ~~~い!!!


私の背筋に大量の冷や汗が流れる。

まさに、蛇ににらまれた蛙だった。

私が固まったままでいると、
赤司君が口を開いた。


「…なぜ、名前を…?」


私は今さらながらに、
自分の犯した失態の大きさを悟った。


どうしようどうしよう…!


焦った私の脳内に突然降りてきた名案。

私はとっさにそれを口にする。


「げ、月バス! 月バスにキセキの世代が載ってたの知ってたんです!」


赤司君は感情の読み取れない瞳で私を見つめた。

一瞬で自分の頬がほてるのが分かる。


本当に、赤司くんなんだ!


感動していると、赤司君は私に一歩近づいて、


「ところで、君はなぜここにいるんだ?
 見かけない制服だが…。」


「あ! えっと…それは…」


私はしばらくの間目を泳がせて、重大なことを思いだした。

友絵の存在に…

ここでうかつに口を開いては、友絵と口裏が合わないかもしれない。


そうだ、携帯で!


私は制服のポケットの中から携帯を見つけ出し、<友絵>にかける。

ここでつながらなければ、もうおしまい。
と言うか、つながらない可能性のほうが高い。


お願い、つながって!


私は赤司君そっちのけで、ぎゅっと目をつぶり、祈った。

更新日:2013-06-05 18:39:30

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「え?ここがどこって?黒子のバスケの世界さ!!」