玲奈side


私たち、死んじゃうの…!?


トラックのクラクションが耳に響いて、
うるさい。

ぎゅっと閉じた瞼の奥で、

痛いくらいの光がさした。


ああ、そうか

死ぬ瞬間って、こんな感じなんだ


私は薄れていく意識の中、
そんなことを考えていた。


こんなに早くに死んじゃうんだったら、

もっと黒バス読んどくんだったな

というか、テスト勉強なんてしなくてもよかったんじゃ…


人って、一瞬の間にこんなに多くのことを
考えられるものらしい。

これが本当の走馬灯なんだろうな。


ああ、最後に、黒バスを見たい…


これが、私の願い。

だから神様。


これくらい叶えてくれたって


いいんじゃないですか?