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え? じゃあ、かわってくれませんか!?


『あ、そう?よかったね?』


ぬおお、何こいつ、腹立つ!!

私の堪忍袋の緒がぶちりと切れかかる寸前に
私はいいことを思い付いた。


「あのさ、いいこと思いついたんだけど」


『は?いいこと?』


「うん、いいこと」


私は語尾にハートをつけそうになるのを必死でガマンした。

そんなことしたら、悪巧みしているのがばれる。


『ふぅん、何?』


こいつが馬鹿で良かった…じゃなくて、
こいつが素直ないい子で良かった。

私だったら多分疑って、話を聞こうとしないだろうし。


「あのね、高尾にかわれ」


『うん…って、何そのどすの利いた声!
 ガチで怖いんだけど!?』


「いいから、か・わ・れ♡」


『…ハイ…』


よし、主導権は完全にこっちが握った。


『もしもーし、俺、高尾ですけどー?』


「初めまして、高尾君。
 私はバカ坂…有坂の友人の朱見玲奈です」


『あ、高尾でオッケーだから』


「了承ありがとう。
 じゃあ、高尾君、ここからが本題」


私はゆっくりと息を吸った。


さあ、ここから作戦開始だ。


私のことを『アホ見』呼ばわりした罪は重いぞ、バカ坂!!!

更新日:2013-06-09 19:25:05

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「え?ここがどこって?黒子のバスケの世界さ!!」