官能小説

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みず狂い に

何度か指を吸ったあと、解放してやる。

なにごともなかったかのように、歩きだす。

子坊主も、ものも言わずに付いてくる。

なんということなしに、貴船川へと向かった。

洛中と比べると格段に涼しい貴船ではあったが、それでも日差しは既に真夏のものだった。

涼を求めてと川へと降りていくと、既に川床の準備が整えられていた。

靴を脱いて床几の端に腰かけると、同じようにして子坊主が横に座る。

少し距離を置いて腰かけたのがなんとなく癪にさわり、ぐわしと引きよせる。

暑気のせいか身体は熱く、着物のうえからでも熱が感じられた。

頬は上気しており、見あげて来るまなざしが恋に浮かれた女のようだった。

そっとあごを指で引きよせ、唇と唇をふれあわせる。

女よりずっと柔らかだった。

と、軽く突き飛ばされた。

川のなかを走って逃げようとしたのだろう。

あっという間に転んだのが、笑いを誘った。

恥かしがっているのを抱きおこすと、濡れてしまった着物の前身ごろが肌にはりついていた。

生地のうえからでも、子坊主のそこが剛情をはり始めているのが見てとれた。

引き寄せて、足のあいだに入れる。

「いけません」「なりません」と言うのを、青く剃りあげられた小さな頭を胸に押しつけて黙らせる。

そして、耳元で囁いた。

「お前の笛が吹きたい」と。

更新日:2013-10-27 20:30:05

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