官能小説

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焔ぐるい に

正式に結納が交わされると頻繁に関西から訪ねて来てくださるようになりました。

私のほうはというと、学費の支払いも苦しく、見合いをしてすぐ花嫁修業を理由に女学校をやめ家で過ごしておりました。

お式の日までは、あっという間でした。

婚礼衣装は、母の打ちかけを仕立て直しました。

お目出度い鶴の柄で、非常に重かったことをおぼえております。

お式は神戸の生田神社で、披露宴はオリエンタルホテルで行なわれました。

その日は、そのままホテルに泊まり、翌朝に有馬温泉に新婚旅行に行く予定になっておりました。

夜、ホテルの部屋でふたりきりになると、九条さんは私に先に風呂を使うよう勧めてくださいました。

妻が夫より先に湯に浸かるなどできませんと申しあげると、「西洋式だから」と仰って、浴槽に湯を張り使い方を教えてくださいました。

勧められるがまま、結局、先にお風呂をいただいてしまいました。

交代で九条さんが浴室へ入られると、所在なくて困りました。

まさか寝台に上がっているわけにもいかず、肘掛椅子に座って軽く化粧をいたして、九条さんを待ちました。

浴室の扉を開けて出てこられた時のことは、いまだに忘れられません。

これほどまでに美しい男性がこの世にいたのかと、思うばかりでした。

お身体の均整がとれているだけでなく、お顔の造作も良く、濡れた髪は艶々して、思わず「美神」という言葉が頭に浮かんだほどでした。

その美神と、まもなく本物の夫婦(めおと)になるのだと思うと、嬉しいやら恥かしいやらで、動悸がしたのを思いだします。

更新日:2013-10-27 21:02:27

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