官能小説

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水狂い いち

いつの頃からか、十六の誕生日にという合意があった。

舞妓も、それぐらいの歳には水揚げを済ませる。

布団の上に物置にあった古い高枕を置き、そのうえに腹ばいになるよう促す。

いい塩梅に小さな尻が上を向く。

手のひらをあて、豊かとはいいがたい肉を押し開く。

女の秘された場所が紅暗いうつぼだとすれば、男のそこは仄白く光を放つ結界のようだった。

何人たりとも侵入することは許さないとばかりに、つぼみ、閉じ、あたかも人を拒んでいるような風情に、しばし魅入られた。

見た目がどうあれ、拒まれてはいない。

目の前にある軀と私は、今夜ひとつになることを、ともに望んでいた。

それは、了解済みのことだった。

人払いをした貴船の家は静まりかえり、もの音ひとつしなかった。

宮川町の少年から聞いた話をもとに使うことを思いついた椿油を、無言で丹念に塗りこめていく。

圧搾された椿の香りが淡く部屋の中にたちこめる。

ふと母が肌や髪に椿油を使うのに居合わせた時のことを思い出す。

公家出身の誇り高い母が身仕舞いの様子を男の子に見せたということは、恐らく幼児の頃の記憶であろう。

どうやら匂いというのは、古い記憶をよびさますらしい。

数十年後、ふたりしてこの時のことを椿油の匂いとともに思い出すのかもしれないという考えが、ふと胸をよぎる。

笑みがこぼれた。

間違いなく、私たちは老いても互いの軀をまさぐりあっているだろうと確信したからだ。

この三年、飽きることなく愛でてきた笛を丹念になでてやる。

縁日で売っているような小さな笛が、みるみるうちに立派な楽器へと形を成していく。

椿油を塗っているほうの指で、尻のあいだの結界を破る。

尺取り虫のような格好のまま身がうねるのをなだめすかし、奥へと進めていく。

息が荒れ、我慢している様子が見てとれたが、無言でただ成すべきことをなした。

身のわななきが鎮まったのを機に、うしろから腹を抱えてやり高枕を脇にやる。

頭に血がのぼらないようそばがら入りの枕を縦にして胸に抱かせ、後ろから足で足を挟み込む。

矢をつがえ的に向かってひき絞ると、容赦なく軀を傾けて射抜いた。

更新日:2013-10-27 22:05:40

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