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夢の通い路・壱

もう、お手はお離しになられても、大丈夫ですよ。



ひとつ目の夢。
少年の叶わない恋。
驚かれましたか?響も驚きました。色々な意味で、でございます。

とにもかくにも、響は、夢の中で、優しい子だと感じていました。
いえ、正確には、優しい夢だったのです。
「俺」を呼ぶ「あいつ」の声が、たゆたう水のように心地よく、ほんの少しだけ、淋しい。でも、温かな気持ちになる話でした。

誰かを好きになることは、やめようとして、できることでも、しようとして、することでもありません。
人と人が出会い、起こること。
善いか悪いかではありません。
まさしく、縁でありましょう。

嗚呼、…あまり、言葉は連ねぬ方が余韻に浸れますね。
でしゃばりまして。


さて、この夢はここまで。
また、次なる夢まで、暫しのお別れ。
さぁ、貴方様の現実にお帰りください。
貴方様の、あるべき場所へ。


ここは夢通い路。

夢の余韻の、ほんの、片隅にございます。

更新日:2013-04-12 23:56:32

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