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⑥
そこは、ギリシャ様式の華麗な宮殿で、なかもギリシャの調度品で豪華に飾り立てられていた。
「なんやの、このけったいなしつらえは?」
プシュケ―は、ひとり言を言った。
「けったいで、悪かったな!」
「ひぃえぇっ!」
すがたは見えないのに、どこかから声がしたので、プシュケ―は飛び上がった。
「えらい、たいそうな。そない、驚かんでもええやろ」
「あんさん、どなたはんどす?どこに、いはりますのん?」
プシュケ―が、訊ねる。
「おまはんの、旦那や!声ぐらい、おぼえてくれ」
「顔は?顔は、見られしませんの?」
「ちょっと事情があってな。顔出すわけには、いかんのや」
プシュケ―に恋焦がれているキューピッドではあったが、プシュケ―をめとれば母であるアフロディーテが怒り狂うことぐらいは察しがついた。
そこで、急きょ愛宕山の頂上に建てた宮殿に、自分の正体を隠したままプシュケ―を住まわせることにしたのだ。
「安心し!夜のつとめは、しっかり果たすさかい」
「へっ!顔も知らん相手とチョメチョメせぇ、言わはりますのん」
「顔なんか見んでも、できる。処女やったら、真っ暗なほうが恥かしのうて、ええやろ?」
「そらまぁそやけど、一回も顔も見たことない相手とするて・・・」
「そういうのも、おつなもんやで」
「ほんまにぃ?」
「夫を信じんで、どないする!寝室は廊下の突き当たりや。はよはよぅ!」
プシュケ―は急いで寝室へ行くと、真っ暗ななか後ろ手に戸を閉めた。
すると、いきなり後ろから抱きすくめられた。
「いやぁ~ん」
そう言いながら豊満な身体を押しつけてくるプシュケ―に、キューピッドはすっかり興奮させられた。
おかげで、夜じゅうかかって色々な体位を試すことができた。
そのかいあって、朝にはプシュケ―もすっかり夫にほれ込んでいた。
「さすがアポロン神殿の巫女はん。ええ夫、紹介してくれはったわぁ」
「あっ!もうじき、日が昇る。ほなまた、今晩な!」
「えっ!どこ行かはりますのん?夜明けのコーヒー、一緒に飲みまひょうな」
「仕事や。ここにあるもんは、全部お前のもんやさかい、好きにし。食事も、勝手に出てくるし」
そう言うと、キューピッドはバタバタと出て言った。
「なんやの、このけったいなしつらえは?」
プシュケ―は、ひとり言を言った。
「けったいで、悪かったな!」
「ひぃえぇっ!」
すがたは見えないのに、どこかから声がしたので、プシュケ―は飛び上がった。
「えらい、たいそうな。そない、驚かんでもええやろ」
「あんさん、どなたはんどす?どこに、いはりますのん?」
プシュケ―が、訊ねる。
「おまはんの、旦那や!声ぐらい、おぼえてくれ」
「顔は?顔は、見られしませんの?」
「ちょっと事情があってな。顔出すわけには、いかんのや」
プシュケ―に恋焦がれているキューピッドではあったが、プシュケ―をめとれば母であるアフロディーテが怒り狂うことぐらいは察しがついた。
そこで、急きょ愛宕山の頂上に建てた宮殿に、自分の正体を隠したままプシュケ―を住まわせることにしたのだ。
「安心し!夜のつとめは、しっかり果たすさかい」
「へっ!顔も知らん相手とチョメチョメせぇ、言わはりますのん」
「顔なんか見んでも、できる。処女やったら、真っ暗なほうが恥かしのうて、ええやろ?」
「そらまぁそやけど、一回も顔も見たことない相手とするて・・・」
「そういうのも、おつなもんやで」
「ほんまにぃ?」
「夫を信じんで、どないする!寝室は廊下の突き当たりや。はよはよぅ!」
プシュケ―は急いで寝室へ行くと、真っ暗ななか後ろ手に戸を閉めた。
すると、いきなり後ろから抱きすくめられた。
「いやぁ~ん」
そう言いながら豊満な身体を押しつけてくるプシュケ―に、キューピッドはすっかり興奮させられた。
おかげで、夜じゅうかかって色々な体位を試すことができた。
そのかいあって、朝にはプシュケ―もすっかり夫にほれ込んでいた。
「さすがアポロン神殿の巫女はん。ええ夫、紹介してくれはったわぁ」
「あっ!もうじき、日が昇る。ほなまた、今晩な!」
「えっ!どこ行かはりますのん?夜明けのコーヒー、一緒に飲みまひょうな」
「仕事や。ここにあるもんは、全部お前のもんやさかい、好きにし。食事も、勝手に出てくるし」
そう言うと、キューピッドはバタバタと出て言った。
更新日:2013-04-20 12:13:54