- 12 / 26 ページ
⑫
家へ帰ると、姉たちが嬉しそうに尋ねてきた。
「どやった?」
「ブ男ちゃいました…キューピッドはんどした」
しょんぼりしながら、プシュケーが応える。
「ほんまかいな?」
「信じとくなはれ。それより、言うこと聞かへんかった言うて、捨てられましてん」
「なんや、出戻りかぁ?」
上の姉が、満面の笑顔で言う。
「あてらと、おんなじや」
下の姉も、楽しそうに同意する。
「なに言うてんのん、失礼な!あてらは、未婚。プシュケーは、バツいち!」
「アハハハハ!せやな。一緒にしたら、アカンな」
妹であるプシュケーの不幸を姉たちが嬉しそうに話すのを見て、プシュケーはむかついた。
もとはと言えば、姉たちの勧めによりやったことの結果である。
姉たちが余計なアドバイスなどしなければ、今夜も夫と楽しく過ごせたのにと思うと、プシュケーは腹が立ってたまらなかった。
プシュケーは、心のなかでつぶやいた。
「女の一念、岩をも通す!血ぃのつながった姉でも、許さしまへんで!」
プシュケーは、精いっぱい可愛らしい声で姉たちに話しかけた。
「夫は、もう愛宕山の宮殿には居いしませんけど、お宝は置いたままどす。清水の舞台から飛び降りたら、風の神さんが運んで行ってくれはりますさかい、すんませんけど取ってきてくれはりませんか?」
姉たちが、いそいそと家を出ていくと、プシュケーはひとりガッツポーズをした。
「どやった?」
「ブ男ちゃいました…キューピッドはんどした」
しょんぼりしながら、プシュケーが応える。
「ほんまかいな?」
「信じとくなはれ。それより、言うこと聞かへんかった言うて、捨てられましてん」
「なんや、出戻りかぁ?」
上の姉が、満面の笑顔で言う。
「あてらと、おんなじや」
下の姉も、楽しそうに同意する。
「なに言うてんのん、失礼な!あてらは、未婚。プシュケーは、バツいち!」
「アハハハハ!せやな。一緒にしたら、アカンな」
妹であるプシュケーの不幸を姉たちが嬉しそうに話すのを見て、プシュケーはむかついた。
もとはと言えば、姉たちの勧めによりやったことの結果である。
姉たちが余計なアドバイスなどしなければ、今夜も夫と楽しく過ごせたのにと思うと、プシュケーは腹が立ってたまらなかった。
プシュケーは、心のなかでつぶやいた。
「女の一念、岩をも通す!血ぃのつながった姉でも、許さしまへんで!」
プシュケーは、精いっぱい可愛らしい声で姉たちに話しかけた。
「夫は、もう愛宕山の宮殿には居いしませんけど、お宝は置いたままどす。清水の舞台から飛び降りたら、風の神さんが運んで行ってくれはりますさかい、すんませんけど取ってきてくれはりませんか?」
姉たちが、いそいそと家を出ていくと、プシュケーはひとりガッツポーズをした。
更新日:2013-04-20 12:18:44