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制約

美影side


「俺が知ってるのは、さっきも言ったが『展望台』が主催者ってこと。
 そして、星空の支配者を決めるゲームだということ。」



私はうなずいて、促した。


「そして、ここが重要だ。」


立花君が少し瞳を細めた。


「星空の支配者を決めるきっかけは、『月』の支配者が死んだ、ということ。」


「死んだ?『月』の支配者?」


立花君はうなずいた。



「まだ説明していなかったか。
 支配者は10人いる。つまり…」



私は息をのんだ。


「…惑星の数と一緒…?」


「あぁ。ビンゴだ。
 と、いっても、最近では『太陽』と『月』は惑星ではないとも言われているがな。」


と、言うことは、『太陽』『月』『水星』『金星』『地球』『火星』
『木星』『土星』『天王星』『海王星』の支配者がいることになる。

そのうちの『月』の支配者が亡くなった…
だからこのゲームが始まった。


「まあ、昔は11人だったみたいだけどな。」


立花君はため息交じりにそうつぶやくと、目を閉じた。


「…それって、『冥王星』の支配者のこと?」


立花君は目を瞑ったままうなずく。


「『冥王星』が惑星じゃなくなったことで消されたらしいんだが、
 どうもそれだけが理由だったわけじゃないらしい。」


「どういうこと?」


私が問うと、立花君はだるそうに目を開けた。


「異端だったんだよ。」


「異端?」


他の支配者だって、アブノーマルな存在だと思うのだけど…。

立花君は疑る私の視線を見て少し笑うと、人差し指を立てた。


「支配者の中でも特別変わったやつだったらしい。俺はそう聞いた。
 まあ、異端って形容されるだけあって、相当キレるやつだったんじゃないか?」


『冥王星』の支配者のことも気になるけれど、問題は『ゲーム』のこと。

異能者たちが集まって争うなど、考えるだけで寒気が走る。


「……怖いか?」


「…怖い。得体の知れないものに、操られている感じがして。」


私はそういうと、自分の肩を抱いた。





更新日:2013-07-12 21:06:47

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