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支配



「支配って…それってどういう…


私が続きを言いかけた時に、予鈴が鳴った。
立花君は「やべ。」とつぶやくと、私のほうを振り返って、


「まあ、そういうことだ。
 詳しくはまた放課後に話す。
 どうせ部活もやってないんだろ?」


と言った。
私は決めつけられたのに腹が立ったけど、事実なのでうなずいた。


「よし。ならまたここで落ち合おう。」


そういうと、彼はさっさと教室に戻ってしまった。


勝手すぎるよ…。


私は呆れて、ため息を一つ吐き出した。



私が教室に戻ると、クラスの女子が一斉に私のほうに集まってきた。
私は驚いて言葉を失っていると、一人の女子が私に質問をしてきた。


「長谷川さん、さっき立花君と屋上に行ったよね!?」


見られてたんだ…。


私は女子のそういうところに嫌気がさして、またため息をした。


「別に、何にもないよ。ただ…」


「ただ…なんなの?」


女子が私を疑うような、とがめるような嫌な目で見てくる。
私は少しめまいがして、後ずさった。


何?すごい、くらくらする。


私はそう思うと、一気に周りの景色がブラックアウトした。

周りから「ちょっと、長谷川さん!?」とか「美影!!」と言う声が聞こえた。

なくなっていく意識の中、
私の体が持ち上がる感覚だけ残して、私は意識を失った。

更新日:2013-03-23 21:21:12

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