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小説

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過去

新学期が始まり、季節は秋。
テミンは孤児院とミノの家を行ったり来たりしていて、最近はミノの父にもすっかり気に入られている。

一方、ミノと話す時間が減ってしまい、登下校中の電車の中でもほとんど会話がなくなっていた。

「ミノヒョン」

「んー?」

声をかけると返事はするが、参考書から顔を上げてはくれない。

「ねぇ、ヒョンってば」

振り向くまで呼んでみようとテミンが目の前に立つミノの手を揺すった。

「何?」

まだ振り向いてくれないミノに、テミンは一人で頬を膨らませる。
こうなったら最後の手段だ。
ミノの手をぎゅっと握って、少し体重を預けながら「ヒョン…」と呟いてみる。

するとはっとしたように顔を上げたミノが、心配そうに顔を覗き込んできた。

「どうした?具合悪い?」

慌てるミノにテミンは首を振る。

「ミノヒョン、全然こっち向いてくれないんだもん」

「え?あー、ごめん。最近あんまり話してないもんな。」

「そうだよ。朝も帰りも一緒で、ヒョンの家にも行ってるのにー」

拗ねたようにそう言うテミンに睨まれたミノは、何をしても可愛くしか見えないその顔に苦笑する。

「ごめんごめん。もうすぐ試験なんだ。」

「まだ二学期が始まったばっかりなのに?」

「学校の定期試験じゃなくて、大学の入学試験だよ。」

「ミノヒョンは大学生になるの?」

孤児院では高校を出てそのまま就職する子どもが多いので、テミンは不思議そうに首を傾げた。

「合格したらな。」

「そうなんだ…。じゃあ、僕応援するね。」

「ありがとう。」

久しぶりに自分に向けられたミノの笑顔に、テミンも嬉しそうに笑う。

「ね、合格したらまた遊んでくれる?」

「じゃあ早く合格できるように頑張るな。」

「うん!」

ミノが合格するまで、少しの辛抱だ。
大人しくしていたらまた遊んでもらえると分かり、テミンはずっと握りっぱなしだったミノの手を離す。
離した手で頭をくしゃっと撫でられ、テミンは気持ち良さそうに目を細めながら少しだけミノに寄りかかった。


更新日:2013-04-06 23:52:27

夕暮れに舞う春の雪 SHINee Minho*Taemin