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誕生日
手術後は思いの外テミンが一生懸命で、食欲がないはずなのに時間を掛けて出された食事を全て食べてくれているお陰で予想以上に回復は順調。
さすがにまだ辛そうだが、寝たきりだと体力がなくなるからと言って昼間はできるだけ体を起こしている。
「テミン、少し横になったら?」
心配してそう声を掛けたオニュに、テミンは頑なに首を振った。
もうこうなると意地だ。
なぜそんなにストイックになっているのか理由が分からないオニュやジョンヒョンは、テミンが根を詰めすぎないように見守るしかない。
しばらくは車椅子で移動していた場所も、歩いて行けるようになった。
このまま上手くいけば予定より早く次の治療が始められそうだが、困ったことにミノはテミンにこの先の話を全くしていない。
今日あたりに話をしようとミノが病室を訪ねると、テミンがテーブルに載った病院食とにらめっこをしていた。
「テミン」
ミノを見た瞬間に嬉しそうにきゅっと頬が上がる。
「ヒョン!どうしたの?お仕事終わった?」
まだ真っ昼間だというのに、時間の感覚のない質問にミノは苦笑する。
「ちょっと様子見に来たんだよ。食欲ない?」
「ん…、でも、大丈夫。ちゃんと食べれるから」
「そんな無理しなくてもいいって」
「だって、早く帰りたいもん」
テミンが頑張っている理由が分かり、ミノはそういうことかと納得した。
「別に、そんな焦らなくても熱出たりしなければ帰れるから」
「えっ、ほんと?」
明らかに嬉しそうな顔と弾んだ声。
ミノが頷くと笑顔に花が咲く。
「俺が付いてるから、余程何かない限りは外出許可出すよ。だからあんまり無理するな」
頭をポンと軽く叩けば、テミンは箸を手に取り食事の載ったトレーを引き寄せる。
「帰れるって聞いたらお腹減っちゃった」
へへっと笑ってから「いただきます」と手を合わせたテミンを見ていると、子どもを持つ親の気持ちが何となく分かる気がした。
一挙一動を見ていて飽きることなんてなくて、ただ見守っていたいと思う。
「食べ終わったら薬飲むの忘れるなよ?」
「えー、苦いのあるからやだな…」
「ちゃんと飲まないと、家帰れなくなるぞ」
「…分かってるもん」
しばらくは帰るためというひと言がテミンには効果がありそうだ。
「それと、最近オニュヒョンと遅くまで電話してるだろ?帰りたいなら夜は早く寝ること」
消灯時間が早いので眠くなるまでの退屈な時間を潰させてもらっているのは分かるが、相手はなぜか自分でもジョンヒョンでもなくオニュ。
最近それが気になっていたので、ミノにとっては良い口実ができた。
「はーい」
ふてくされたように返事をするテミンに、「退屈なら俺のところに電話しろよ」とわざと耳元で囁いてみる。
すると真っ白な頬がぱっと桜色に色付き、テミンは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頷いた。
さすがにまだ辛そうだが、寝たきりだと体力がなくなるからと言って昼間はできるだけ体を起こしている。
「テミン、少し横になったら?」
心配してそう声を掛けたオニュに、テミンは頑なに首を振った。
もうこうなると意地だ。
なぜそんなにストイックになっているのか理由が分からないオニュやジョンヒョンは、テミンが根を詰めすぎないように見守るしかない。
しばらくは車椅子で移動していた場所も、歩いて行けるようになった。
このまま上手くいけば予定より早く次の治療が始められそうだが、困ったことにミノはテミンにこの先の話を全くしていない。
今日あたりに話をしようとミノが病室を訪ねると、テミンがテーブルに載った病院食とにらめっこをしていた。
「テミン」
ミノを見た瞬間に嬉しそうにきゅっと頬が上がる。
「ヒョン!どうしたの?お仕事終わった?」
まだ真っ昼間だというのに、時間の感覚のない質問にミノは苦笑する。
「ちょっと様子見に来たんだよ。食欲ない?」
「ん…、でも、大丈夫。ちゃんと食べれるから」
「そんな無理しなくてもいいって」
「だって、早く帰りたいもん」
テミンが頑張っている理由が分かり、ミノはそういうことかと納得した。
「別に、そんな焦らなくても熱出たりしなければ帰れるから」
「えっ、ほんと?」
明らかに嬉しそうな顔と弾んだ声。
ミノが頷くと笑顔に花が咲く。
「俺が付いてるから、余程何かない限りは外出許可出すよ。だからあんまり無理するな」
頭をポンと軽く叩けば、テミンは箸を手に取り食事の載ったトレーを引き寄せる。
「帰れるって聞いたらお腹減っちゃった」
へへっと笑ってから「いただきます」と手を合わせたテミンを見ていると、子どもを持つ親の気持ちが何となく分かる気がした。
一挙一動を見ていて飽きることなんてなくて、ただ見守っていたいと思う。
「食べ終わったら薬飲むの忘れるなよ?」
「えー、苦いのあるからやだな…」
「ちゃんと飲まないと、家帰れなくなるぞ」
「…分かってるもん」
しばらくは帰るためというひと言がテミンには効果がありそうだ。
「それと、最近オニュヒョンと遅くまで電話してるだろ?帰りたいなら夜は早く寝ること」
消灯時間が早いので眠くなるまでの退屈な時間を潰させてもらっているのは分かるが、相手はなぜか自分でもジョンヒョンでもなくオニュ。
最近それが気になっていたので、ミノにとっては良い口実ができた。
「はーい」
ふてくされたように返事をするテミンに、「退屈なら俺のところに電話しろよ」とわざと耳元で囁いてみる。
すると真っ白な頬がぱっと桜色に色付き、テミンは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頷いた。
更新日:2013-07-20 15:37:02