官能小説

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痕跡

 どれくらいベランダに出ていたのだろう、額の汗が目に沁みて我に返った少年は窓を閉めもせずに部屋を抜けて廊下へ躍り出た。居ても立ってもいられない気分とはこう言う事なのだろう、そわそわと落ち着かない様子で家の中をうろつき始めたのだが、ふと何かを思い出したように一階へ降りると玄関へ向かっていた……そこは昨夜、泥酔して帰宅した母を最初に姦してしまった場所である。

(昨日……ここで……)

 酔いつぶれた母の靴を脱がそうとしてスカートが捲れ上がってしまったのは全くの偶然だった。しかし、いくら寝てしまっているとは言え実の母にあんな事をしてしまう自分がいまだに分からなかった。どれほど自分を問い詰めてみても艶かしい女の下半身を目の当たりにして正気を失くしてしまったとしか答えようが無いのだ。

(そう言えば……あの後シャワー浴びたんだっけ)

 悠吾は昨夜の足跡を辿るようにしてバスルームへ向かったが、洗濯籠はおろか洗濯機の中まで当然のように空っぽで、くず入れには何も残っていなかった。悠里の恥部をぬぐったティッシュを丸めて投げ入れたはずのキッチンのゴミ箱には生ゴミさえ残っていなかった。あの出来事以来、初めて足を踏み入れるリビングは言うに及ばず、客間に至っては見る意味すら無いように思えた……トイレも然りである。

(僕、何してるんだろう?)

 空き巣が金目の物を求めて家捜ししているような、そんな自分の姿に苦笑しつつ二階へ戻って行った。通りすがりに父が書斎として使っていた部屋を何も無いと分かっていながら一応は覗いてみるが、納戸代わりに荷物が置いてあるだけだった。
 洗濯が済んでしまっているのだ、今さら母の寝室にだって昨夜の痕跡など何も残っていない事は分かっている。しかし、それでも少年はそこへ行かずにはいられない衝動に駆られ、何かに吸い寄せられるようにしてドアの前まで来てしまった。
 ドアハンドルに手をかけてそっと回して行く……昨夜、この部屋へ侵入した時の事が思い出される。月明かりが映し出した母の美しい肢体、そして妖しいまでの恥態、狂おしいほどに淫らな吐息、それらすべてが鮮明に蘇って来てドクンドクンと鼓動が早まった。Tシャツは汗を吸ってすでにびしょびしょでベッタリと背中に張り付いている。部屋には誰も居るはずは無かったが妙な緊張感までが纏わりついて、やたらと喉が渇いていた。

更新日:2013-03-09 12:22:01

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