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遺書のパート2  俺から父つあんへ

わざわざ、こんな地の果てまで来てくれてありがとよ父っつあん、そのボートには穴があいてっから帰りにはくれぐれも気をつけな。

俺は一足先にいくぜ、「あの世」とやらへ、 な。

生きてる間も使ったことないが、パスポートもビザもまさか、あっちの世界でも必需品じやなかろうよ。あんたにくれてやる。冥土の土産、かたみに取っときな。ツーショットの写真つきだ。

今まで手に入れた宝の山も、俺と一緒にはついてこれねえ。あっちの世界でも、いっちょ大暴れして「世界一の怪盗」の名をモノにするぜ。

不二子をからかって死んだふりのつもりがとんだことになっちまった。最愛の人の為に盗むんでなかったら、生きる意味もないから、この世とはおさらばさ。

あばよ、達者でナ。

あ、そうだ、そこに転がってるのは毒薬だ。酒じゃねえ。もひとつ、床板が腐ってるから腰抜かすなよ。

父つあん命の俺より。


手紙の隣には、いかにもプリクラで撮ったような、若き日のルパンとそれに負けない位若いゲジ眉の銭形が肩を組み、嬉しそうに頬ずりしあって写っている写真。ニセと分かるパスポートに貼り付けられて置かれていた。                

「クソオ、死んでもやっぱり俺をコケにしやがってえ!ルパ~ン、なぜ死んだ、、、。」

父つあん、しばし号泣。ルパンに取りすがって、茶色のウィスキー瓶に気付く。

「おや、こんなところに毒薬のビンが。お前が死んでしまったのなら、俺も生きている意味がない。お前を追って地獄までだ、、。」

銭形、残っている瓶の中の液体を飲み干す。

苦しそうに喉を掴み、断末魔の呻きを上げてよろめく。ベッド後ろの壁にすがりつこうとして2~3歩歩くと向こうに辿りつく前に、腐った床板を踏み抜いて穴にはまる。

「ルパン、もう一度、俺をお前の罠にはめてくれ~い。例え地獄でも。」

バタリと倒れて息を引き取る銭形。


更新日:2009-10-07 13:06:21

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