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旧校舎のディアボロス 第3話

『起きなさいよ! 起きなさいったら! お、起きてよぅ! もう!』
「……」

声優の『久技 美也(くぎ みや)』さんの声で起してくれる目覚ましを無言で止めて、目を覚ました。

「あれ?」

俺、いつ家に帰ってきたんだ?
たしか、昨日は手紙で公園に呼び出されて告白されて、断ったら槍みたいなので刺されたはず……
そこまで思い出して、慌てて腹を触った。
しかし、刺された跡は何処にもなく、傷一つない腹だった。
夢……にしてはずいぶんリアルだったし、そもそも夢なら痛みなんて感じないはずだ。けど、俺は確かにあの痛みを熱を覚えている。
しかし、夢でないなら俺は死ぬはずだ。
黒い服を着た死神のような幼女に貰ったアレが効いたのか?
あの子に貰ったアレはアレで、死に掛けの俺に追い打ちをかける激痛だったけどな!
にしても、本当にいつ家へ帰ってきたんだ?
わからない事だらけだけど、とりあえず……

「生きてて良かったぁぁぁぁぁ!!!」
「イッセー! 朝からうるさいわよ! 近所迷惑になるでしょうが!」

歓喜の叫び声に負けず劣らずの大声で下の階から母さんが怒った。
いや、その怒声も十分近所迷惑だと思うよ?
とりあえず、腹の下に雑誌を仕込んでおこう。
学校に行って、天野(クソアマ)と再会したら、まさ刺されかねない。

「行ってきます」

制服(雑誌仕込み)に着替えて、家を出た。
鞄はなぜか見当たらなかった。
特に持っていくものはないけど、手ぶらで学校に行くわけにもいかないから、予備の鞄を持って家を出た。
まぁ、アレが夢でないなら鞄なんて使い物にならないだろうけど……
今日の天気は、気持ちのいい快晴……のはずなのに、なんだか気分が悪い。
身体がだるいと言うか、日光が肌に突き刺さるというか……
昨日までは、こんな感じしなかったのにな。
俺が通っているのは、家から徒歩20分くらいの所にある『私立駒王学園』。
数年前まで女子校だったおかげで、男子よりも女子の割合が多く、生徒会長や風紀委員などの要職はほとんど女子だ。
学年ごとに男の比率は上がっているが、それでも俺のクラスは男女比、3:7と半数以上女子だ。
男なら女が選り取りな最高の環境なんだろうけど、残念なことに俺の守備範囲に納まる女子はほとんど居ない。

「よう、心友! どうだ? 昨日のDVDで巨乳の良さを理解したか?」

朝っぱらか巨乳がどうのこうのと騒ぐこいつは、学園の女子に悪評高い『変態三人組』の1人、松田。
俺とは真逆な嗜好を持つエロ坊主(頭)だ。

「そんなわけないだろ。そもそも、そんなもん見てねえよ」

そういえば、失くした鞄の中に、松田から借りた(正確には無理やり押し付けられた)エロDVD(巨乳モノ)が入ってたっけ。

「なんだと!? そう言えば、今日はいつもと鞄違わないか?」
「ああ、朝気付いたら鞄が失くなってたんだよ。だから借りたDVDも行方不明なんだ。悪いな」
「な、なんだって!? 何処で失くした! なくした場所の心当たりは!?」
「公園までは持ってた記憶があるんだけどな……」
「うおぉぉぉぉぉ! 待ってろ俺のエロDVD! 今見つけに行くぞぉぉぉ!!!」

そう言って、松田は公園の方に走って行った。
近くを歩いてい人たちは何事かと目を向けては『エロDVD』と連呼する松田を見て呆れたり、生ゴミを見るような視線を向けたりしている。
まあ、鞄が見つかったとしても、DVDはお亡くなりになってるかもしれないけどな。
光の槍みたいなのが鞄を貫通してたし。

教室に入るって、自分の席に腰を下ろした。
窓際の席だから日光をモロに浴びる。
これを授業聞きながら受けるとか、軽い拷問だな。
はぁーだるい。

更新日:2014-02-15 19:42:15

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