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「くそ……まだ、死にたくない。可愛い彼女だって作ってないのに……」

死ぬのは、可愛い彼女の胸の中って決めてるんだよ。
あんな守備範囲外のクソアマに刺されて一人で死ぬなんてごめんだ!

『Divid』

耳元で機械染みた声が響いた気がした。
若干、血の流れる量が減った気がしたけど、痛みは相変わらずだし出血は止まらない。
本当に出血量が減ったとしても、時間稼ぎにしかならない。
せめて、誰か通りかかってくれれば……

「……お前、死ぬのか?」
「……誰だ?」

いつの間にか、傍に黒い服を来た幼女が居た。
もしかして、ついにお迎えが来たか?
でも、こういう可愛いお迎えなら大歓迎だ。
クソアマに刺された怒りはどこかへ吹っ飛んだ。

「ずいぶん可愛いお迎えだな」
「お迎え?」

首を傾げる動作がまた可愛い。
ああ、こんな彼女欲しかったな……
段々視界がぼやけてきた。

「死にたくないなぁ」

この子と一緒に居られるなら死ぬのもいいなぁ……とか一瞬考えたけど、きっと死んでも一緒に居るなんて無理だろうしな。
それなら、生きて同じくらい可愛い子と一緒に生きたい。

「死にたくないのか?」
「ああ、君には悪いけど、死にたくないな……」
「なら、これを飲む」

倒れた俺に差し出されたのは、真っ黒い墨汁のような液体が入った小瓶だった。
これを飲めと?
なんか飲んだ瞬間、死にそうな気がするんだけど!
とは言え、美幼女に貰った物は例えゲル状だろうが炭素固形物だろうと、食べるのが俺だ。
痛みを我慢して震える手で受け取り、一気に飲み込んだ。
こんな色なのに無味無臭な物ってあるんだな。

「これで生き残るかはお前次第、我は楽しみにしている。今代の白」
「今代の白?」

黒い幼女はそういい残してどこかに言ってしまった。

「ぐっ!? があああああああああ!!!」

身体の中を何かが動き回り、食い荒らされるような感覚が襲ってきた。
刺された痛みの方が万倍マシに思える痛みだ。
あの子の言葉から察するに、運がよければ生き残れるようだけど、これはいい兆候なのか?

「絶対に生き残るんだ……」
「死にたくないんですか?」

また、似たような言葉が聞こえた。さっきの黒い幼女とは違う声だけど……
はは、またお迎えが来たかな?

更新日:2014-02-15 19:32:28

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