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---- 大智side ----
「よ、隼人」
「・・・・奥山か」
はぁとため息をこぼしてから
目を逸らす隼人。
「それ癖だな。」
「何が」
「すぐ目ぇ逸らす。」
そう言うとちらっと俺の顔を見た。
「何だよ。」
「班なろーぜ。」
「は?」
「瀬川さんはこいつと一緒でもいい?」
「あ、いいけど・・・・」
「はい決定ねー」
隼人もよくやる奴だ。
自分から実行委員なんてやる柄じゃないくせに。
なのにちゃっかりやってしまってる理由は、ひとつ。
「朝奈に手ぇ出したら殺すからな」
俺の耳元まで来てそんな言葉を浴びせてくる。
「分かってるって。」
こいつは色々勘違いしてる。
俺は隼人が考えてるような奴じゃないつもり。
言ったってどうせ信用しないだろうけど。
ただ、
「これ以上待たせるようなら
俺も何するか分かんねえよ?」
消せないものは誰にだってある。
更新日:2013-04-05 14:36:47