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記憶
---- 隼人Side ----
忘れたなら思い出す必要はないと思ってる。
俺がこいつの記憶から消えたのは
こいつが忘れたいと思ったからだ。
思い出してもまた傷つくだけだって
奥山の言ってたことは正しい。
なのに『思い出したい』なんて
今更迷惑だ。
散々、知らない人でいたくせに。
あれから半年間
ずっと。
♪♪♪~~
チャイムが鳴って
自分から扉の方へ歩いて行った。
言葉を交わす必要も
目を合わせる必要もない。
苦しいことはしない。
「あの・・・・」
俺を呼びとめる声が
弱々しくなっているのには気づいていた。
それでも、振り返らなかった。
振り返れなかった。
階段を下る。
いつもなら後ろから着いてくるはずの足音はなかった。
もう来ないことにしようと
ひとり、心に決めた。
---- 隼人Side ----
忘れたなら思い出す必要はないと思ってる。
俺がこいつの記憶から消えたのは
こいつが忘れたいと思ったからだ。
思い出してもまた傷つくだけだって
奥山の言ってたことは正しい。
なのに『思い出したい』なんて
今更迷惑だ。
散々、知らない人でいたくせに。
あれから半年間
ずっと。
♪♪♪~~
チャイムが鳴って
自分から扉の方へ歩いて行った。
言葉を交わす必要も
目を合わせる必要もない。
苦しいことはしない。
「あの・・・・」
俺を呼びとめる声が
弱々しくなっているのには気づいていた。
それでも、振り返らなかった。
振り返れなかった。
階段を下る。
いつもなら後ろから着いてくるはずの足音はなかった。
もう来ないことにしようと
ひとり、心に決めた。
更新日:2013-03-31 15:43:51