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1.1 改造計画

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<中国本部>


 莉沙は突然連絡の取れなくなった部下に、いら立ちを隠せず、持っていた無線をたたき割った。

 困惑する周囲。しかし彼女はそれを気にすることもなく、この白一色の部屋から退出する。


 隣の部屋、さきほどの部屋とは対照的な、普通の一般家庭の住宅の一室を模したそこに、カードキーをかざして入室する。


「あら。劉ちゃん、どうしたの?」


 柔らかい、少し方言交じりの中国語が莉沙の耳に飛び込んでくる。






「リーシャ、あなたの、恋人のことよ」

「ん?海ちゃんがどうかしたの?」


「裏切ったかもしれない」









 ふわり、その女は笑った。



「そっか」


「なんで…なんで笑うのよ!!!」


「え?」







 女の笑いには、耐えられなかった。莉沙は渾身の力をこめて、その無力で無邪気な彼女の頬をたたいた。

「唖っ!やめて!!!!!」


「なんで!!!!あんたは!!!!!!!!!そんな風に笑うのよ!この小汚い娘が!教養もないあんたを、ここに置いてやってるのに!!」




「や、めて」


 莉沙はやめなかった。


 


 ぐったりと、力なく床に横たわり、鼻から血を流す女を見て狂喜した。

「ふふ…ふふふふふふふふふふふふふふふ」


 口から洩れたのは、奇妙な笑い声だけだった。

「いいわ、いいわよ。海里くぅん…それならそれで、私も"直接"、裏切り者を成敗してくれるわぁ」






「劉指揮官」


 別の無線から入電。

「なぁに」

「例のプロジェクトの話ですが…」

「あぁ…いいわ。ここの被検体2198号を使うから」

「し、しかし」

「いいのよ」


 倒れる女の横腹を、もう1度蹴りあげる。


「ぅ…」




「あいつは、この子を裏切ったのだから。もうこんな汚い女を、この研究所にそのまま置いておく必要なんてないのよ」








更新日:2013-02-11 01:25:32

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