- 23 / 58 ページ
1.1 改造計画
---
<中国本部>
莉沙は突然連絡の取れなくなった部下に、いら立ちを隠せず、持っていた無線をたたき割った。
困惑する周囲。しかし彼女はそれを気にすることもなく、この白一色の部屋から退出する。
隣の部屋、さきほどの部屋とは対照的な、普通の一般家庭の住宅の一室を模したそこに、カードキーをかざして入室する。
「あら。劉ちゃん、どうしたの?」
柔らかい、少し方言交じりの中国語が莉沙の耳に飛び込んでくる。
「リーシャ、あなたの、恋人のことよ」
「ん?海ちゃんがどうかしたの?」
「裏切ったかもしれない」
ふわり、その女は笑った。
「そっか」
「なんで…なんで笑うのよ!!!」
「え?」
女の笑いには、耐えられなかった。莉沙は渾身の力をこめて、その無力で無邪気な彼女の頬をたたいた。
「唖っ!やめて!!!!!」
「なんで!!!!あんたは!!!!!!!!!そんな風に笑うのよ!この小汚い娘が!教養もないあんたを、ここに置いてやってるのに!!」
「や、めて」
莉沙はやめなかった。
ぐったりと、力なく床に横たわり、鼻から血を流す女を見て狂喜した。
「ふふ…ふふふふふふふふふふふふふふふ」
口から洩れたのは、奇妙な笑い声だけだった。
「いいわ、いいわよ。海里くぅん…それならそれで、私も"直接"、裏切り者を成敗してくれるわぁ」
「劉指揮官」
別の無線から入電。
「なぁに」
「例のプロジェクトの話ですが…」
「あぁ…いいわ。ここの被検体2198号を使うから」
「し、しかし」
「いいのよ」
倒れる女の横腹を、もう1度蹴りあげる。
「ぅ…」
「あいつは、この子を裏切ったのだから。もうこんな汚い女を、この研究所にそのまま置いておく必要なんてないのよ」
<中国本部>
莉沙は突然連絡の取れなくなった部下に、いら立ちを隠せず、持っていた無線をたたき割った。
困惑する周囲。しかし彼女はそれを気にすることもなく、この白一色の部屋から退出する。
隣の部屋、さきほどの部屋とは対照的な、普通の一般家庭の住宅の一室を模したそこに、カードキーをかざして入室する。
「あら。劉ちゃん、どうしたの?」
柔らかい、少し方言交じりの中国語が莉沙の耳に飛び込んでくる。
「リーシャ、あなたの、恋人のことよ」
「ん?海ちゃんがどうかしたの?」
「裏切ったかもしれない」
ふわり、その女は笑った。
「そっか」
「なんで…なんで笑うのよ!!!」
「え?」
女の笑いには、耐えられなかった。莉沙は渾身の力をこめて、その無力で無邪気な彼女の頬をたたいた。
「唖っ!やめて!!!!!」
「なんで!!!!あんたは!!!!!!!!!そんな風に笑うのよ!この小汚い娘が!教養もないあんたを、ここに置いてやってるのに!!」
「や、めて」
莉沙はやめなかった。
ぐったりと、力なく床に横たわり、鼻から血を流す女を見て狂喜した。
「ふふ…ふふふふふふふふふふふふふふふ」
口から洩れたのは、奇妙な笑い声だけだった。
「いいわ、いいわよ。海里くぅん…それならそれで、私も"直接"、裏切り者を成敗してくれるわぁ」
「劉指揮官」
別の無線から入電。
「なぁに」
「例のプロジェクトの話ですが…」
「あぁ…いいわ。ここの被検体2198号を使うから」
「し、しかし」
「いいのよ」
倒れる女の横腹を、もう1度蹴りあげる。
「ぅ…」
「あいつは、この子を裏切ったのだから。もうこんな汚い女を、この研究所にそのまま置いておく必要なんてないのよ」
更新日:2013-02-11 01:25:32