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第八章、思いやり

挿絵 388*70

この物語はフィクションで、登場する人物や建物は実際には、存在いたしません。
尚この技は架空であり、実際に物理的に出来る技では有りません。

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1536491.html


今日の仕事は午後からで、午前中の出来事である。


玲菜は竜彦の自宅のリビングのソファーに座り、


携帯電話で電話を掛けていた。


玲菜、「うん、今は落ち着いてる。


そう横浜の住宅街。


来週にはお母さんに竜彦君を紹介するから。


うん幸せよ。


へ、スーパーで偶然会ったの。


そうやっぱりまだ諦めてないのね。


聞かれたんだ。


それなら安心よ。


私はまだ浜松市に居ると思っている様なら」。


母からの電話で、玲菜の安否を確認している様であった。


母親が近所のスーパーで買い物をしている最中、


コーチと出くわして母は嘘を付いて玲菜は未だ、


浜松市の何処かで働いていると告げていたが、


具体的な職場は告げなかった様である。


母にはまだ竜彦を見せてはいないが、


事情は告げていたのであった。


母も一人でアパートで暮らして居るよりも、


同姓はしているが、竜彦の両親が離婚して残して行った豪華な、


セキュリティー万全の、この邸宅で暮らしている方が安全と考え、


同姓を許可している様であった。


有田 裕子、元玲菜のフィギュアスケートのコーチは、


玲菜をオリンピック代表選手に、


伸し上げる事を諦めてはいない様で、


玲菜のストーカー行為に走る裕子を、


母の力では止められなかった。


従い逃避行する玲菜を見守るしかなかった。


危険な技アクセルスクリューは、世界中で確認されている中でも、


玲菜しか出来ない技である。


世の中にお披露目されていなかった玲菜の技が、


目立たない古びたスケートリンクでは在ったが、


横浜市内だけではあるが、広く確認されてしまった故に、


有田 裕子の耳に入るのも、時間の問題である。


だがあえて竜彦は勝負を掛けた。


逃げ回るだけでは玲菜に対する、


有田 裕子のストーカー行為は止まないと踏んだ竜彦は、


有田 裕子を誘い出し、自ら玲菜との仲に入り話し合うつもりであった。


玲菜は昼前には、秋山が経営する喫茶店サファイヤに出向き、


厨房に入って料理の手伝いをしていた。


隣で料理を作っている明子が玲菜に、「助かるわー。


店の即戦力に成ってくれて」と、礼を言うと玲菜は、


パスタをフライパンで炒めながら、


「昔から飲食店に勤めるのが好きだったから、


明子さんの手伝いが出来て光栄です」と、


告げると明子は微笑み、「竜彦君良かったわね。


こんな真面目な子を彼女に出来て、私も嬉しいわ」と、


称えると玲菜はその時、微笑んだのであった。


喫茶店の客が入るピークは十二時半を過ぎてからである。


今までは夫婦二人と明子の母親で賄っていた喫茶店が、


一人増える事でかなりペース配分が円滑に成り、


経営者達は玲菜が店で働いてくれる事を、心から感謝していた。


尚且つ素直で真面目な玲菜である為に、玲菜が店を手伝ってくれる事に、


心から喜びを感じていたのであった。
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更新日:2016-12-28 23:08:02

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