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第2話「お買い物」

大学もバイトもない
いわゆる、休日。

一本の電話がかかってきた。

『・・・もしもし?』

朝の8時。
正直言えば、寝起きだ。

<あの・・・
 龍さん、ですか?>

少しおどおどした声。

寝ぼけた目が、一気に覚めた。

「南ちゃん?」

西野南ちゃんだ。
あ、涼の彼女のほうね。

<はい!
 龍さん、今日暇ですか?>
『え?あ、うん』

この言い回しの感じだと、多分

<会えませんか?
 時間はいつでもいいんで>

そう言うと思った。

『・・・涼、来週
 誕生日だもんね』

ちゃんと覚えてるんだ。

・・・くっそ
心臓苦しいな。

<はい>
『プレゼント選び、手伝うよ。
 いつぐらいに会えばいい?』
<時間は
 多いほうが嬉しいです>
『じゃー・・・
 11時に、駅前でどう?』
<ありがとうございます!!
 じゃ、また!>

嬉しそうに声を弾ませて
電話が切れた。


こーゆー南ちゃんの姿見ると
なんで涼との間に入ろうとしたのか

自分の無謀さが馬鹿らしい。


でもさ、南ちゃん。
俺君のこと好きだって、自覚してる?

好きな子の彼氏の
プレゼント?

・・・ずいぶんとお人好しになったな、俺。

『さーて
 準備しますか』

複雑ながらも
二人で会える嬉しさに

気付けば俺は、上機嫌だった。

更新日:2013-01-22 23:22:30

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