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小説

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日記と指輪

日本での仕事を終えて帰国してから数日。
キボムの「いいことがありそうな気がする」という予想は見事に的中したらしい。

ミノは宿舎に帰るなりすぐに自分の部屋をジョンヒョンに譲り、仕事の移動中の車の中でもテミンの隣にいるようになった。

テミンはというと、4人の兄の間を行ったり来たりなので特別ミノと一緒にいようとしているようには見えないが、今までがほとんど会話もないような状態だったので一緒に過ごす時間は格段に増えている。
嫌われているのではないかとまで心配していたミノが側にいて優しく接してくれるようになったのを、テミンは素直に喜んでいた。


今日もミノと一緒にいるテミンを見ながら、キボムはなぜか悩ましげなため息をつく。
最近せっかく一緒にいられる時間が増えたというのに、ため息ばかりついているキボムをジョンヒョンが心配そうに見詰める。

「またため息。今日もう3回目だけど。何かあった?」

「うん?あー、別に何もないんだけどさ…」

「けど?」

「ううん。ただちょっとテミンが心配なだけ。」

「テミン?」

「ミノのとこよく行ってるから。」

キボムの言っていることがよく分からず、どうしてミノのところに行くと心配なのだろうとジョンヒョンは首を傾げる。

「ごめん、キーくん。俺、話が全然読めない…」

正直にそう言うと、キボムがテミンを見たまま口を開いた。

「多分無意識だと思うけど、体調が悪いとミノのとこ行くんだよ。ほら、僕たちのとこは元気な時しか来ないでしょ?オニュヒョンのとこは忙しそうだから気遣ってあんまり行かないようにしてるみたいだし。」

「そうなの?気付かなかった。」

「ミノはあんまり話してこない割に調子が悪いと言わなくてもすぐ気付いてくれるから。面倒も一番見慣れてるしさ。」

末っ子の面倒なら自分に任せてくれれば完璧だと言いたいキボムだが、こればっかりはミノには敵わない。
体調の良し悪しは顔を見て判断できるものの、ミノは更にもう1ランク上。
テミンのことだけは、ぱっと見ただけで頭が痛いのか、お腹が痛いのか、熱があるのか、だいたいのことは分かるらしい。

「まあ、確かにミノといたら楽だよな。それで最近よくミノのとこくっついてんのか。」

「多分ね。」

言われてみれば、もともと多い方ではないテミンの口数がここ数日更に減っている気がする。
そういえば一昨日、テミンがまた夕食を残したとキボムが嘆いていた。

「心配なら病院連れてく?」

「でも時間なくない?」

帰国してからは、基本的に朝から晩まで仕事続き。
空いている時間には無理矢理押し込まれたかのようにレッスンが入っていて、余程のことでない限り時間を取ってもらうことは難しそうだ。

心配したところで仕方がないと、キボムは再び今日4回目のため息をついた。


更新日:2013-02-12 22:29:00

夢がさめたら 【君と過ごした最後の夏 続編】