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小説

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おかえり

雑誌の撮影の短い休憩時間。
オニュはふとスタジオの窓から空を見上げる。

「あの飛行機かな…」

青空を駆け抜けるように進む一機の飛行機が目に入り、ひとり言を呟いた。


2013年、4月。

ニューヨークでの8ヶ月に渡る入院生活を終えて、春の訪れとともにテミンが4人のもとに帰ってきた。

「おかえり!」

寮の玄関でキボムが嬉しそうに迎えると、少しだけ頬を上げる。

「疲れたでしょ?体調大丈夫?」

小さく頷く末っ子の頭を、キボムは懐かしそうに目を細めて撫でた。

この8ヶ月、ミュージカルの稽古で休みがなかったせいで、キボムがテミンに会えたのはたった二度だけだ。
入院して1ヶ月後に受けた手術の後と、その3ヶ月後の二度目の手術の後。

ニューヨークにいた8ヶ月の間に、テミンは二度の手術を受けた。
最初の手術の後も続いた治療と並行して行われた二度目の手術は、テミンもしっかり憶えている。


「ジョンヒョニヒョン…?」

キボムに付いて少し前に引っ越したばかりの宿舎のリビングに足を進めたテミンは、恐る恐るかけた声に嬉しそうに振り向いたジョンヒョンを見てようやく緊張して強張っていた顔に安心の色を浮かべた。

「お!来たか。」

近付いて軽いハグ。
身体を離すとほっとしたように少しだけ微笑むテミン。

自分とは違う距離感の2人を、キボムは複雑な気持ちで見つめた。



メンバーがそれぞれ平等に仕事を配分されているわけではないけれど、それにしても今年に入ってからの3ヶ月は、残された4人の仕事量に驚くほど差があった。

キボムはもちろん休みなしで、オニュは相変わらずの忙しさ。
ミノのスケジュールもそれなりに埋まっていた。

ところが、ジョンヒョンだけは渡されたスケジュールが白紙に近くなぜかオフばかり。
以前ジョンヒョンが作曲や作詞にゆっくり時間をかけて打ち込んでみたいと言っていたのを覚えていたマネージャーが、落ち着いている時期なので無理に仕事を入れずにおいてくれたらしい。


更新日:2013-01-19 00:57:48

夢がさめたら 【君と過ごした最後の夏 続編】